東京オペラシティギャラリー(初台)の カミーユ・アンロ蛇を踏むを見てきました。
カミーユ・アンロは膨大なリサーチをもとに作品を作る作家さんで、今回の展示でも値段の割にはアッサリめなことが多いオペラシティギャラリーにおいて、極めて濃厚な展示空間を形成していました。
展示は4部構成で、文学作品に着想を得て作成した生け花を展示する「革命家でありながら花を愛することは可能か」と、
ドローイングを展示する「アイデンティティ・クライシス」・・・
空間インステレーションである「青い狐」と、映像作品の「偉大なる疲労」になります。
それぞれ展覧会のサブタイトル同様、難解な言葉が並んでいますが、直感的に見ても面白いものばかりでした。
「革命家でありながら花を愛することは可能か」は使う植物も器も多様性があり、サラっと展示しているようでかなりのリサーチがいると思われます。
キャプションに本の一節が引用されています。
日本の本が結構多く、ポップな本も扱っています。
「青い狐」は4つの壁に哲学者ライプニッツの四つの原理がそれぞれ割り当てられています。
例えば
・誕生、幼児/青年期、成人期、老年期(人間の成長)
・感情、感覚、視覚、理解(認知)
などです。解説を見てもよくわからない部分も多いのですが、都市の写真とかは綺麗でした。
写真が多いですが、美術作品っぽいものも。
「偉大なる疲労」はスミソニアン博物館をリサーチしたものです。
あらゆるものを収集、分析する巨大博物館は彼女の作品と非常に相性が良く、かなり見ごたえがあるものでした。
彼女の過大な思考を読み解くのは困難ですが、すごいものを見た、という気分は味わえました。★★★