• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★建築図鑑152UNQLO TOKYO

中央区銀座のUNQLO TOKYOを見てきました。

これまでのユニクロは安い割にはしっかりしていて、デザインもそれなりという評判を勝ち取ってきましたが、さらなる飛躍のためにはブランド力の強化が不可欠でした。

そこでイメージ戦略として国内で原宿、銀座、横浜に新しいタイプの店舗をオープン。見たところモノを売ることよりもイメージアップを狙うことに主眼が置かれているように感じました。

銀座のUNQLO TOKYOは設計はヘルツォーク&ド・ムーロンが担当しています。

毎回違うアーティストとコラボすることで、いつも新鮮な建築を発表しています。

国際的には北京国家体育場やテート・モダンが有名ですが、国内でもプラダ青山という小さいながらも本気のプロジェクトを手掛けています。

これらは店内の展示コーナーでも紹介されていました。

外観は遠目にはビルの上のキューブ状の巨大なロゴが目立ちます。

これはアニメーションで動くし、色合いもあって遠くからでもかなり目立ちます。

5階以上と地下はユニクロではないのですが、ユニクロビルみたいに見えます。

一方低層階では1、2階部分を全面改修。仕上げを剥がして、コンクリート面を露出させています。

黒っぽいところがコンクリートで、安藤忠雄氏のコンクリートより白っぽい感じです。

これよりさらに白い部分はガラスを埋め込んだモルタルです。

これによってシンプルさが逆に目立つデザインに。

ここに並ぶユニクロのキューブロゴもやはりアニメーションで動きます。

メインの入り口は2階部分までをコンクリ躯体のみとし、やはりシンプルなエントランスになっています。

天井に鏡を使って、モニターが3つ以上あるかのような錯覚を起こさせています。

中は一見他のユニクロと変わらないのですが、吹き抜け部分に工夫があります。

フロアの一部を敢えてぶち抜いて、吹き抜け部分を増やしています。

ここでも鏡を天井に貼って、あたかも空間が続いているような、錯視効果を狙っています。

吹き抜け真下の1階にはニットを自動で編む機械が動いていました。

他の階でも吹き抜けに向けてインスタレーションや展示、巨大モニターなどを展開していました。

また吹き抜け部分はぶち抜いたフロアの断面をあえて露出させる処理が成されています。

この未処理な感じがユニクロのシンプルなデザインと妙にマッチしていると感じました。

個人的には近くにあるGINZA SIXよりこちらの吹き抜けのほうが楽しく感じました。あちらはいくらでもお金をかけるといった感じですが、こちらは最小限の操作で大きな効果を上げることを狙っているようです。

ブランド化を狙いながら、大衆路線も捨てない、そんなユニクロの戦略が透けて見えるようなデザインでした。★

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