大阪市の大阪駅を見てきました。
設計はJRが自らやっており、施工も大型公共建築にありがちが複合体がやっています。
このようなやり方は明確なキャラクターが不透明になりがちですが、大阪駅は
どこからでも視認できる片流れの屋根一つでキャラクターを出し、しかも大空間を実現したことで駅内で迷子になりにくいという効果も生みだしました。
ホームを横一列に並べ、コンコースを上に置くという明確な設計です。
最近は高輪ゲートウェイ駅など都心でも増えていますが、既に過密になっている駅では困難な方式です。
駅ホームから駅ビルのテナントを見せることで、デザイン的にバラバラな駅ビルとの一体感をある程度は実現出来てきます。
原広司氏の京都駅と比べるとデザインは負けても使いやすさでは負けていません。
また京都駅と比較してアトリエ形建築家が入っていないだけあって表層のデザインは既製品っぽいです。
それだけに美意識は構造や機能美に向いているのも面白いです。★
ちなみに東京に比べて民間が今だに一定の勢力を持つ大阪では、隣接して阪急と阪神の駅を見ることができます。
阪神梅田駅は市松模様っぽいだまし絵のようなデザインが目を引きます。
いっぽう阪急梅田駅は阪神より山の手の高級住宅地を走ることを意識してか、オーソドックスなエレガントなデザインになっています。