• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★アート解放区 EATS日本橋

アート解放区 EATS日本橋【2021.3.19 (金) – 2021.5.9 (日)】に行ってきました。

主催者のタグボートギャラリーはアート作品をネット販売するとともに、「食べていけるアーティストを増やす」ことを目的に独自に大量のアーティストを抱えています。

自前のアーティストだけのアートフェアを大規模に行うなど、他のギャラリーとは一線を画する活動をしています。

代表の著書も非常に面白く読めました。

今回は日本橋一体の複数のスペースを使って多くの所属作家を紹介、作品販売を行っていました。

メイン会場以外は商業ビルの一角や・・・

オフィスビルの一室を使って展示していました。

アートフェア東京に較べると如何にも手狭ですが、こういった企画を連発するのは日本の現代アート市場の規模を考えると大変だと思います。

肝心の作品はアクリルでグラデーションをつけて線を描く石川美奈子さんを始めとして・・・

アルファベット型の船を作るkamihasamiさん・・・

アクリル棒にカラフルな色を巻き付けるシムラヒデミさんなど、代表の徳光さん自身が否定的だった超絶技巧の作品が目立ちました。

もっとも国内でイベントを行う以上、そういった作家を集めるのはある程度しょうがないと思います。

大手ギャラリーに比べて格段に安い値段で売られているのも魅力で、作家の質もそう変わらないと思います。

もっとも投資目的で買うなら大手ギャラリーの方が値上がりが確実でしょうから、ここではやはり気に入ったインテリアアートを買うということになりそうです。

むしろ代表の著書とは逆に、インテリアアートの価値を再発見する展示になっていたと思います。

 

ここでは作家が受付として動員されているらしく、上述のシムラさんとは話が出来ました。

ストライプの作品はいちまいの写真から色をピックアップし、糸で色を再現してランダムに巻いているそうです。

 

他に面白いなと感じた作品を上げていきます。

こちらは田村久美子さんの作品。正方形のキャンバスの真ん中に地平線を描いており、どの作品も下半分はきれいな芝のような緑で構成されています。

芝は自然物ですがゴルフ場などで人工的に植えられたものでもあり、両義的な意味を感じます。

ウルトラ怪獣みたいな不思議な生き物?を作る小池正典さん。

何にも似ていない異形の姿は原始的な神の姿のようです。

塩見真由さんは他と違い巨大な作品で勝負しています。

狭い部屋なので写真に納まりきらないのが残念です。

Amazon風の箱で届けられる年齢不詳の少女が不気味な友成哲郎さん。

前田博雅さんは珍しい動画作品。

カーテンウォールの映り込みが面白い都内のビルを映し、それを編集してエンドレスの動画作品としています。

有名ビルではないので、一見どこか分からないのがポイントです。

こちらは室内。ビルのエントランスの天井の鏡張りのところを撮ったと思われます。

作品の面白さはアートフェア東京にも負けておらず、これからも注目していきたいです。★

 

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