築地の電通旧本社ビルに行ってきました。
設計は丹下健三氏で1967年竣工。
電通本社は2002年に移動したとのことですが、広告会社がこんなそっけない廃墟みたいなビルを本社にしていたのは驚きです。
しかし周りがどれも同じような高層ビルになった今、逆に斬新に感じます。
最大の特徴は飛び出した梁です。
これは初期の磯崎新氏の作品に多用された表現で、ビルを空中回廊で繋げる築地再開発計画を具体化したもの。
中銀カプセルタワービルと合わせて、メタボリズムの実例になっています。静岡新聞東京支社も近くにありますし、銀座はなぜかメタボリズム建築が多いです。
しかしにしては飛び出た梁が多過ぎるし、建築家の自己満足と言われても仕方ないかも。
もっとも山梨文化会館では実際に増築していますが・・・
また天井のパターンも過剰に揃っており、外観と合わせて工業化時代の量産品アピールが過剰にされています。
玄関周りも非常にそっけなく、当時流行りのブルータリズムの影響を感じます。
建物と対照的に地上レベルの造形は有機的ですが、やはりモノクロームであり、廃墟感が増します。
インパクトがある建物だっただけに残して欲しいですが、解体してしまうみたいです。★