東京都現代美術館のオラファー・エリアソン ときに川は橋となる【6月9日(火)ー9月27日(日)】を見てきました。
コロナ禍の影響で日程が変更されましたが、入口のボードは変わってませんでした。
エリアソンの作品は氷や光、鏡など彼が好む特定の素材を多用して作られています。素材は単純に思えますが、リサーチや加工を繰り返した上で用いられており、見た目ほど単純ではない作品が多かったです。
展示室の中には資料室のような部屋もあり、そのことが学べる仕組みになっていました。
特に面白かったものをピックアップしてみました。
黒いカーテンの中で、ミストシャワーがライトアップされているだけの作品です。
エリアソンの作品は光、水、氷、鏡などシンプルな素材を最大限活用したものが多いのですが、その究極のかたちです。
これも円状のガラスにライトを当て、壁にできた影を「絵画」と称している作品です。
単純な仕掛けですが、素材や効果は高度に計算されているようです。
にも拘らず単純な美術館の展示室で再現できるのも面白いところです。
カラーフィルターを付けたライトが床に複数置かれており、正面の壁を照らしています。
壁の前を横切ると複数の影が映り込むという仕掛け。
このように参加型の作品はかなりありました。
おそらく一番インスタ映えな作品。
ゆっくり回転し、仕様の壁床天井に複雑な図形が映り込みます。
3枚のガラス板がゆっくり回転し、光に照らされて四方の壁に影を落とします。
ガラスは特定の波長の光を反射、または透過するので、壁面には常に違う影が映ります。
会場には他に過去の路上での作品群も展示されていました。
これは路上に半円状の鏡を置き、その視覚効果を検討したものです。
「アイスウォッチ」は氷河を切り出し、街中に展示したものです。
これはトラックの荷台の部分に巨大な鏡を貼り付けて街中を走らせた作品です。
自転車の車輪の部分を鏡に改造した人を食った「貴方の新しい自転車」
環境に無害な緑の色素を流した「グリーンリバー」は日本の目黒川でも行われました。
シンプルな素材を用いながら職人的こだわりを持った作品が多く、楽しめました。★
ちなみに他に2つの企画展と常設展がやってましたが、エリアソンが一番面白かったです。
というか常設展は殆どコロナ前と変わりませんでした。