アートフェア東京2021に行ってきました。
アート作品が買えるフェアで国内最大のものです。実際には一般開放の前のVIP限定解放の場でほとんどの作品が売れてしまっている・・・というのが本来のアートフェアなのですが、結構売れ残ってました。
現代アートをネット販売するタグボートの経営者が書いた本書によると、世界のアートフェアの格付はスイスのアートバセールがトップ。それにフリーズアート(ロンドン)、アーモリーショー(ニューヨーク)、アートバセールマイアミ、フィアック(パリ)、アートバゼール香港、ART021(上海)などと続いています。
日本はアートに置いては相当な後進国で、このアートフェア東京も世界的に見れば何の意味もないそうです。
海外の世界的ギャラリーは全く来ておらず、それどころか国内のトップギャラリーも海外のアートフェアを優先する始末です。
格が高いアートフェアだと参加する審査が大変厳しいのですが、アートフェア東京は世界で注目されているわけはないので、そんなことはないようです。
しかも年々入場料が上がり、一般客もあまり来ない始末です。
それを象徴するのが面積の半分を占める古美術コーナーです。
古美術と現代アートをまぜこぜに展示するのは日本だけらしいです。
円空仏は好きなのですが・・・
柳幸典「バンザイコーナー」
(国内においては)メガギャラリーのANOMAYは香港のアートフェアが中止になったため、参加を決めたギャラリーです。
天王洲の展示と比較してここでの手抜きっぷりは悲しいです。
数年前はもっと力が入ってたと思いましたが・・・・
国内トップギャラリーと言われるところで面白かったのはときの忘れもの。
駒込という立地の悪さゆえかめったに行かないのですが、ギャラリー以上にブログが充実しているイメージです。
今回は倉俣史郎氏の巨大家具を展示。
紅い所はプラスチックですが、土台と柱は鉄製で、大人2人いるほどの重さらしいです。
アートフロントギャラリーも面白かったです。
代官山のギャラリーでも面白い展示を時折やっています。
この藤堂さんの作品は本の中身を外してガラスを挟んでいます。
背表紙の内側に本文の一部を貼り付けており、ガラス側の横から見ることができます。
ガラスの色の違いは厚みによって自然と決まるとか。
こちらは2018年に解体されたソニービルの特徴的な外壁装飾をガラスで挟み込んだもの。
このように歴史的建築が解体された時の遺物を活用した作品が多かったです。
KContemporaryは原口典之さんの巨大彫刻を展示していました。
あまりの大きさに逆に作品と気づかなかった人も多かったのではないでしょうか?
2020年のオープニング展は見に行けなかったので、思わぬ収穫でした。
原口さんは近くの加島美術でも巨大作品を展示。
こちらは特殊な油を鉄の盆に貼った作品です。
加島さんはKContemporaryの古美術部門なので、本来こんな作品を展示するスペースではないだけにオドロキです。
一方、全く知らなかった画廊との出会いも魅力的です。
巨大なセミの・・・何?オール?
小林画廊さんの齋藤詩織さんという作家さんです。
タイトルは「やかれた魚のにおいたつ」
窓が塗りつぶされた団地、藤棚の上に立つ男、不自然な位置にいる犬など、団地版キリコといった趣の不気味さです。
地方のギャラリーの面白さも際立っていました。
大阪のYOD Galleryでの浅香弘能さんの作品。
大理石を発泡スチロールっぽく削っています。
折れているようですが実際には一本の大理石から削られています。
下に落ちている発泡スチロールは本物も混じっています。
台座の取っても発泡スチロールを模しており、作品を仕舞えます。
北海道の天馬ギャラリーは現代過程によくある事物(?)を変え軸に馴染ませる葛西由香さんと・・・
なんかやたらかっこいいクスミエリカさんの作品が良かったです。
どんどん入場料が上がっており、行きにくくなっていますが、日本の現代ギャラリーが東京中に分散しているせいで、このように一堂に会する機会は貴重です。
それに国内でしか通用しないとしてもそのギャラリーがイチオシの作家の作品が一堂に会するというのはかなり見ごたえがありました。★
★アート解放区 EATS日本橋 – 博司のナンコレ美術体験2021年4月6日 6:40 PM /
[…] アートフェア東京に較べると如何にも手狭ですが、こういった企画を連発するのは日本の現代アート市場の規模を考えると大変だと思います。 […]