• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★我々は既に侵略されている!「五木田智央 PEEKABOO」

五木田智央「Come Play with Me」

東京オペラシティアートトランスギャラリー(新宿・初台)の「五木田智央 PEEKABOO」【04.14[土]- 06.24[日] 】を見てきました。

2014年にDIC川村記念美術館で個展をやって以来、快進撃を続け五木田智央さんの展覧会です。

オペラシティギャラリーの展示空間はいつもオシャレです。

五木田智央「Easy Mambo」

今回は五木田さんの作品のカラーに合わせて壁紙や間仕切り白とグレーに統一されています。

五木田智央「Tokyo Confidential」

色と並んで特徴なのが顔の表現です。単なるノッペラボーではなくグラデーションなどにより様々な表現が試みられています。

五木田智央「How to Marry a Millionaire」

顔だけでなく指先も大胆に省略されています。カメラの顔認証機能も働きません。恰好からして人間であるのは間違いないのですが、こうも不気味に不穏に感じるのは顔と指先が人間を人間と認識するための重要な役割を担っているせいでしょう。

五木田智央「Grand Reception」

特にこの集合写真シリーズ(?)は基本的にめでたい状況で撮るものだけに不穏さが増幅されます。

五木田智央「記念写真」

普通の人と並んで写ってるといつの間にかすり替え系の宇宙人侵略映画を髣髴させます。

五木田智央「Holiday Flight」

不完全に顔が無くなった例です。等身も漫画チックで余計不気味です。

五木田智央「Please Be Kind」

記念写真系だけでなく様々なシュチュエーションを感じさせる作品も多数出品されてます。基本リアルに描かれていますが、主題であるはずの女性がディフォメされ、顔は不気味に変態しています。

五木田智央(左)「Old Portrait」 (右)五木田智央「Lady Dada」

このような特徴は「ウルトラセブン」の人型宇宙人を思い浮かべます。彼らもほとんど顔面の造形によって異星人という属性を表現していました。

五木田智央「Sacrifice」

人物だけでなく背景のカーテンも不気味です。フラッシュ写真のように明暗がくっきりと表れています。

五木田智央「Untitled」

展示室の最後には絵画の小品がびっしり。

今回の展示作品の他にも様々なタッチと作風を試みていることが分かります。

五木田智央「Gokita Records」

最後の廊下には悪役レスラー(?)風のレコードパッケージ。膨大な数があります。

 

展示数はそれほど多くありませんが、その分一点一点をじっくり見れます。見ごたえ十分の展覧会でした。★★

コメントを残す