東京オペラシティアートトランスギャラリー(新宿・初台)の「五木田智央 PEEKABOO」【04.14[土]- 06.24[日] 】を見てきました。
2014年にDIC川村記念美術館で個展をやって以来、快進撃を続ける五木田智央さんの展覧会です。
オペラシティギャラリーの展示空間はいつもオシャレです。
今回は五木田さんの作品のカラーに合わせて壁紙や間仕切り白とグレーに統一されています。
色と並んで特徴なのが顔の表現です。単なるノッペラボーではなくグラデーションなどにより様々な表現が試みられています。
顔だけでなく指先も大胆に省略されています。カメラの顔認証機能も働きません。恰好からして人間であるのは間違いないのですが、こうも不気味に不穏に感じるのは顔と指先が人間を人間と認識するための重要な役割を担っているせいでしょう。
特にこの集合写真シリーズ(?)は基本的にめでたい状況で撮るものだけに不穏さが増幅されます。
普通の人と並んで写ってるといつの間にかすり替え系の宇宙人侵略映画を髣髴させます。
不完全に顔が無くなった例です。等身も漫画チックで余計不気味です。
記念写真系だけでなく様々なシュチュエーションを感じさせる作品も多数出品されてます。基本リアルに描かれていますが、主題であるはずの女性がディフォメされ、顔は不気味に変態しています。
このような特徴は「ウルトラセブン」の人型宇宙人を思い浮かべます。彼らもほとんど顔面の造形によって異星人という属性を表現していました。
人物だけでなく背景のカーテンも不気味です。フラッシュ写真のように明暗がくっきりと表れています。
展示室の最後には絵画の小品がびっしり。
今回の展示作品の他にも様々なタッチと作風を試みていることが分かります。
最後の廊下には悪役レスラー(?)風のレコードパッケージ。膨大な数があります。
展示数はそれほど多くありませんが、その分一点一点をじっくり見れます。見ごたえ十分の展覧会でした。★★