世田谷文学館の「原田治展」【7月13日(土)~9月23日(月・祝)】を見てきました。
原田治さんはミスタードーナツのイラストで有名です。80~90年代の若者文化ではもっとも著名なイラストレーターかもしれません。
原田さんの若いころから晩年までの画業を追う展覧会。
世田谷文学館の企画展会場構成はいつも創意工夫に満ちてますが、今回はやたらシンプルな印象。
これも原田さんのシンプルな絵を反映したものと思われます。
原田さんの最初期の仕事であるananの創刊号です。
初期には雑誌内のカット全般を担当していたようです。
こちらがそのカットの一部。
ポップな色使いはこの頃から健在です。
70年代に作成されたグーディングカードです。
グッズ化はかなり初期からされていたことが分かります。
書籍の装丁の仕事です。
やはり滑稽ものとの相性がいいようです。
1976年からロングセラーになるポテトチップスのパッケージデザイン。
ミスタードーナツなどと同様、分かりやすいデザインが特徴です。
他に見覚えがあるのはルームエアコン白くまくんのデザイン。こちらは・・・
なんと東急電鉄の挟まれ防止のステッカーとして復活!商業デザインのキャラが全く別の場所で復活なんて初めて聞きました。
こちらも見覚えのある英会話塾のキャラクターデザインです。
ローカルなデザインも。愛知県の引っ越し業者のキャラクターです。
究極にローカルなのがこちら。お孫さんが通う幼稚園のTシャツのデザインです。
テレビCMでは動く原田さんのキャラクターが見れます。
にしてもあまりにも平和過ぎる絵です。日本の高度経済成長期ならではの作風化も。
展示の後半で大量に展開していたのがOSAMU GOODSとよばれる商品の数々です。
可愛い!といえるものがたくさんありましたが、はやり作りは少々チャチいような・・・
こんな展示だけあってミュージアムショップも大充実していました。
シンプルな会場構成ですが、仮設壁の上部にはこんな言葉も。
もっとも5%の隠し味を感じられるかどうかは人によるでしょうが・・・
懐かしいキャラクターに会えて楽しかったのですが、なにか得るものがあったかと言われると唸らざるを得ません。80年代というのはやはり底抜けにノーテンキな時代だったのでしょう。★