キャノンギャラリーSの伊奈英次写真展:残滓の結晶 ~CRYSTAL OF DEBRIS~【2020年12月17日(木)~2021年2月3日(水)】を見てきました。
作家が転落事故を起こした際、見た万華鏡のような光景を再現したいと思い、パソコンのバグを利用して作った写真(?)が展示されています。
伊奈英次「蟻地獄」
画像は自動で作成されるはずなのですが、風景のいい所というか印象に残るところを繰り返して増幅しているように感じます。
この作品は泉ガーデンの緑のガラスを増幅しています。
伊奈英次「アルコール中毒の回避」
こちらはアサヒスーパードライホールの金のオブジェを中心に残しつつ、その脇にもオブジェが反復されています。
伊奈英次「高輪ゲートウェイ駅」
新しい名所も使われています。
改札からプラットホームが見える開放的な配置と、特徴的な屋根の形状がちゃんと作品に生かされているのが面白いです。
伊奈英次「メリルリンチ日本証券ビル」
こちらはもとの建物にインパクトがないせいもあり、まったく見知らぬ光景が出来上がっています。
SFの無限成長都市を思わせます。
伊奈英次「ブルーインパルスと雲」
建物が多いのですが、事件ものも使われています。
バグを利用しているのは共通していますが、それによって作られる景色はかなり多様で見ごたえがありました。★★