• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★田舎に合わない?「糸崎公朗のつくる写真展」

原村歴史民俗資料館 八ヶ岳美術館糸崎公朗のつくる写真展【2019年7月6日(土)~9月16日(月・祝) 】を見てきました。

糸崎氏は写真を反立体的に組み立てたフォトモ(フォト+模型)で有名で、その本も複数出版されています。

糸崎公朗「渋谷ひゃっけんだな」

作品は雑踏を立体化したものが多いです。こういう街の方が立体しがいがあるからでしょうか?

糸崎公朗「エッフェル塔のある喫茶店」

面白いのがこういう光景が世界中にあること。これは大阪。

糸崎公朗「地下鉄M3 モスクワ広場」

これはハンガリーのブタペストです。

糸崎公朗「香港湾仔」

こうしてみると建築家や都市計画家が言う「ダメな街並み」って世界中にあるんだなって分かります。

糸崎公朗「パチンコ看板付き駐車場」

建物や街並みではなく、単体の事物も扱っていました。

これは八王子です。

糸崎公朗「乾電池自販機」

大分少なくなった乾電池自販機です。まだまだ現役?

 

糸崎公朗「googleフォトモ」

一方地元長野県の企画で作られたのがこちら。グーグルマップの画像をそのまま印刷して折り曲げただけというレディメイドな作品。

糸崎公朗「googleフォトモ」

が、あまり糸崎さんらしさは感じません。

長野の田園風景は糸崎さんには向かないのかも?

 

糸崎公朗「日本の脱構築主義建築 赤い壁の家」

一方、糸崎さんは新シリーズを「反・反写真」または「日本の脱構築主義建築」と呼んでいます。

反・反写真」とは平面を立体化したフォトモが反写真であり、それをさらにひっくり返してることからつけられました。

脱構築主義建築とは平たく言うとフランク・ゲーリーや国立競技場がポシャったザハ・ハディドに代表されるグニャグニャした建物をいいます。

写真編集ソフトを積極的に使っているのは絵画の模擬から始まった写真を拒否しているからでしょうか?

エドヴァルド・ムンク「赤い蔦」

それはそうと赤いグニャグニャした家はムンクを思い出します。

糸崎公朗「日本の脱構築主義建築 色白美人の家」

家そのものだけでなく、背景も激しく異次元化しています。

B級な家のネーミングも面白いです。

糸崎公朗「日本の脱構築主義建築 すごい!!鳥取市の家」

家じゃなくてもタイトルは家なのは写真上で本来の機能がはく奪された仔をと意味しているのでしょうか?

糸崎公朗「日本の脱構築主義建築 金目鯛の家」

妙に可愛くない巨大魚がトラウマになりそう?

糸崎公朗「日本の脱構築主義建築 わらう床屋の家」

確かに屋根と窓、戸の配置が顔に見えなくもないです。

糸崎公朗「日本の脱構築主義建築 P9170362-65」

背景が加工されていないシリーズも。

海外だとこんな建物実際にありそうです。

 

小企画展なのでボリュームはあまりありませんが、複数のシリーズが見れたので割と面白かったです。★

 

 

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