• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

見立ての世界★岩崎貴宏「Layer and Folding」

銀座 蔦屋書店の岩崎貴宏「Layer and Folding」【12.27 – 01.14】を見てきました。

 

アート系の本が豊富に揃う、銀座 蔦屋書店の店内のイベントスペース「GINZA ATRIUM」での展覧会です。

岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー Layer and Folding」

メインの作品は巨大な本棚が周囲を囲むスペースの中央に置かれた、屏風状の作品です。

岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー Layer and Folding」(部分)

周辺の鉄骨がむき出しになった本棚に合わせて(?)作品も送電線が這う、構造系の作品になっています。

 

基本的には過去にURANOで展示された半立体、壁掛け作品の拡大版です。

新世紀エヴァンゲリオンで描かれるような、送電網が縦横無尽に走る山間部の光景が表現されています。

岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー Layer and Folding」(部分)

新表現としては、山の木の表現に綿棒が使われていること。現実の山よりさらに均一感が増してて結構不気味です。さらに歯間ブラシも使われています。

岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー Layer and Folding」(部分)

送電線部分はジョイント部(?)にキーホルダーの部品が使われていたり、

岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー Layer and Folding」(部分)

マジックテープが使われていたり、バリエーションが増しています。

低層部分は色んな布を使って地層を表現してます。

岩崎貴宏「アウト・オブ・ディスオーダー Layer and Folding」(部分)

個人的には建設ラッシュ(?)の部分がクライマックス。

クレーンが林立してます。

山間部の大規模インフラ建設で見れる光景ですが、今後見れるとしたらリニア建設のときでしょうか?列島改造再び!”

岩崎貴宏「テクトニックモデル(神秘日本)」

クレーンというのは岩崎さんにとってもっとも基本となるモチーフなのかもしれません。

メイン作以外の小品も全てクレーン作品です。

これもURANOスパイラルで過去に展示されたシリーズの最新作です。

岩崎貴宏「テクトニックモデル(震美術論)」

今回は美術関係書で統一されています。

岩崎貴宏「テクトニックモデル(苔のむすまで)」

流石に本自体がビジュアルとして美しいです。

さりげにクレーンの形も全部少しずつ違います。

他、作品集、スカーフ、ブックマーク、マスキングテープなどグッズも売られていました。

場所柄(?)結構高いです。

 

ここのスペースでの展覧会の中では見ごたえのある出色の出来でした。★

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