奈良市の春日大社国宝殿に行ってきました。
谷口吉郎氏が設計し、弥田俊男氏が改修したという建物です。
しかし技術的にはすごいのでしょうが、外観上は古色蒼然たる他社の宝物殿とどこも違いがありません。
ただ展示は過去の宝物を展示するだけでなく現代アートを用いた展示がされており、こちらはかなり面白かったです。
気鋭の照明デザイナー、岡安泉が担当したという作品です。
まず《神奈備》は水盆に映像を投影し、それがさらに天井にも映り込むというもの。
水面に投影というはよくありますが、《春日》は立体的に組んだワイヤーに映像を投影するというもの。
どちらも見え隠れし、近づいたり遠のいたりする神の存在を感じさせる作品です。
特に《春日》は使われている映像の一つは鹿のもののようで、木立に見え隠れする鹿をワイヤーを通して観ることで、神々の世界と人間の世界の隔たりやコミュニケーションの困難さを感じました。★★