チェルフィッシュの消しゴム山を見てきました。
プラータナー:憑依のポートレートの岡田利規さん演出の劇です。
エントランスではこれまでの消しゴム山の展開が紹介されていました。
金氏徹平さんが新たに参加しているので気にはなっていたのですが、京都→金沢→ニューヨーク→京都と東京を避けて公演していたので、これまで観る機会がありませんでした。
モノと人との新たな関係を考える劇とのことで、舞台の上にはこれでもかというほどモノが大量に並んでいます。
石(のパネル)、大玉転がしの玉、流木、柄杓、蛍光灯、ベニヤ板、ゴールポスト、大量の黄色いボール、筒状に巻かれたフィルム、赤い半透明のプラボード、噴水、様々な材質のパイプなどなど・・・
何に使われるのか分からないモノも大量にあり、最後まで劇で使われないモノも沢山あります。
個人的には長大な青い水平器が気に入りました。
ネットで探しても同じものはありませんでした。
一応のストーリーは3部構成です。
1部は洗濯機の話で、洗濯機が壊れてコインランドリーに通うことになり、次第に壊れた洗濯機に愛着を持つという内容。
2部はタイムマシンの話で、タイムマシンでやってきた未来人の権利についての議論が話の中心です。
3部はこれらを総括する内容なのでしょうが、はっきりとした筋はありません。
ただ、通してモノの権利を訴える内容で、これは無関心になりがちな他人への配慮を訴えたいのかも知れません。
各部の間には無音劇が挟まれ、特に1部の後の演者がモノをまとって合体し、巨大な生き物になるのはプラータナー:憑依のポートレートでも見られました。
イケヤの青いバッグや・・・
無印の箱など具体的なモノも劇内で言及されていました。
僕は金氏さんの巨大作品が登場するのかと思いましたが、金氏さんっぽいのはラミネート加工のパネルなど数点でした。
とはいえ金氏さんとチェルフィッシュの共通の世界観は感じる劇でした。★★