メゾンエルメスの「うつろひ、たゆたひといとなみ」 湊 茉莉展【2019.3.28(木)~ 6.23(日)】を見てきました。
関西国際空港も設計したレンゾ・ピアノの設計のメゾン・エルメスは総ガラスブロックのファザードが特徴。ランタンをイメージしたという本建物はイメージ通り、夜はぼんやりとした光を放ち、他にない味わいを見せています。
数寄屋橋交差点から見える数々の建物の中でも極めて印象的で、東急銀座(日建設計)など後発のビルにも全く負けていません。
竣工時より手前に建つソニービル(芦原義信)によって建物を引きで見ることができなかったのですが、建て替えによって一時ビルが無くなったことにより、一気に視界が開けました。
今回の展覧会もその状況を代々減に生かしたものです。
ガラスブロックに描かれた絵は何なのか、イマイチ判断できません。
女性の頭部や、植物のようにも見えます。
この具象なのか抽象なのかよく分からないのも彼女の特徴な気がします。
ギャラリー内からもガラスブロックに描かれた絵を見ることができます。
ちなみに左は彼女の絵ですが、正面最奥のガラスの向こうの光は不二家の看板であって今回の展示とは関係ないです。
このように既存の展示と混ざり合っているのも面白いところです。
長い紙にメタリックな顔料で描かれた作品はメソポタミア、エジプト、イスラムそれぞれを表します。
やはり具象なのか抽象なのかよく分からないものがたくさん描かれています。
どれがどの文明を表すのかの解説もなし。
傍らにはファザードペインティングの実験に使ったガラスブロックが展示されていました。
やはり破損したときのために予備があったのでしょうか?
ブロック単体で見る機会がないので面白かったです。
他に実際に用いられた塗料とハケも展示されていました。
蛍光塗料を使っているのは夜見たときの印象を考えてでしょうか?
製作中の動画も見れます。
反対側の部屋のペインティング。展覧会が終わってしまうと消してしまうのでしょうが、もったいないです。
こちらの部屋では空間インスタレーションを展開してます。
実際には木製パネルの片面に銀箔やアルミを貼り、L字型に立てかけただけなのですが、室内外の色彩を取り込んで複雑な色合いを見せています。
床に置かれた青いグリッド状の絵はメゾンエルメスのパロディでしょうか?
今回もエルメスの攻めの展示が功を奏した展覧会でした。★★
「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展 – 博司のナンコレ美術体験2021年9月4日 3:16 PM /
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