• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★★Museum of Mom’s Art ニッポン国おかんアート村

渋谷公園通りギャラリーのMuseum of Mom’s Art ニッポン国おかんアート村【2022年1月22日(土)~ 4月10日(日)】を見てきました。

 

オカンアートとはお母さんが主に日用品をリサイクルして作る小物や生活雑貨のことです。

当然オカンはアートとして作成したのではなく、地域の手芸サークルで趣味として作ったものなのですが、都築響一氏が紹介し、今回展覧会になるまでになりました。

当ギャラリーは無料展示にしては質、量ともに充実しており、アウトサイダーアートを紹介する東京のスポットとしては最大手。

しかしその中でも今回は都築氏の手が入っているだけあってかなり気合の入ったものです。

オカンアートというとチープなものという印象がありますが、意外にもハイクオリティ。海外市場には到底乗らないでしょうが、国内なら東京国際アートフェアに出してもそこそこ売れそうな感じです。

展示の主旨に乗っ取って(?)大判写真で愛する作品とともに映るオカン達。

奥の展示室ではさらに気合の入った空間になっています。

展示構成のせいもありますが、非常にビビットな色使いの作品が多く、大阪のおばちゃん的な雰囲気を感じます。

が、そういうものが集められているのか割とドキツイ色でありながらバランスは保たれていました。

同じものを大量に作っている人も多いのですが、これは結構不気味です。

お土産屋さんに売ってそうな作品。

このような作品自体も娯楽の少ない田舎でのサークルで作られたのかもしれません。

何に使うのか分からないものを大量に作っていますが、そのような無駄な部分こそアートなのかも。これは現地で売られているところを再現しており、値段も付いていました。

このような作品が作られた文化的背景を紹介するコーナーも。

特集展示のようなコーナーもあり、これらは実際に美術館で展示されるなどしていたようです。

作家の紹介も細かくされていました。

このスーパーのパックをベースに使った作品は早稲田の映画館で展示されていたそうです。

街に進出するオカンアート。ベースの柄を生かした世界観がハイクオリティです。★★★

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