• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

ウルトラセブンベスト20

ウルトラマンに続いて、ウルトラセブンについてもその映像美術について書いてみます。

よく言われるように、セブンは昭和のウルトラマンシリーズの中でも異色で、セブンのデザインも他とは明らかに逸脱しているし、タイトルも「マン」が入ってないし・・・

ウルトラ整備隊の制服がグレーであることからも分かる通り、本作は大人向け、SF色の強い作品になっています。

そのため、そのためにウルトラマンに見られるような単純なエンタメ、コメディ要素があまりありません。しかし毎週宇宙人を出さないといけないスケジュール上の都合か、中にはSF要素がなおざりだったり、人間ドラマが薄っぺらいエピソードもありました。でもそれがかえってセブンの可能性を広げていると思います。

 

20位.サイボーグ作戦

エピソードは診るべきものがないですが、ボーグ星人のシンプルな頭の造形がかっこいいです。防具=サイボーグというダブルネーミングもうまい。しかし戦闘シーンのあっけない幕切れはやや拍子抜けですが・・・

 

19位.怪しい隣人

異次元空間の描写もいいのですが、やはり本エピソードはイカルス星人は造形に尽きます。哲人的な剛毛ユーモラスなおどけた顔、後にタイラントに使われた巨大な耳、見事なオッサン体型とツッコミどころが多い。この造形を最大限に生かしたどアップシーンが見ごたえがあります。

 

18位.ダン対セブンの決闘

にせセブンとの緊迫した決闘シーンのような絵がかっこいいです。しかしアギラとの対決ではロボットとは思えないような感情豊かな攻撃をしているし、セブンにもよくわからない技でやられるし、コミカル要素も強い話でした。

 

17位.超兵器R1号

セブン屈指の社会派エピソードです。超兵器の的にされた惑星の怪獣が復讐に地球にやって来るというもので、「血を吐きながら続ける、悲しいマラソン」というダンの名言も飛び出します。

徹底して直線と三角をモチーフにした異色のギエロン星獣のデザインもいいのですが、のどかなお花畑での対決シーンは皮肉が効いています。

 

16位.零下140度の対決

ガンダーも悪い造形ではないのですが、ポール星人のインパクトが強いです。人形劇の人形のような造形で、身体の半分弱が頭で、胴体がなく長い手足がぶら下がるというシンプルかつ異形のデザインです。侵略ではなく、地球を氷漬けにすること自体が目的という不条理さ、昏睡状態のダンの見た幻覚の中だけの登場と異例づくめの存在でした。

 

15位.水中からの挑戦

ウルトラシリーズ最高峰といわれるセブンですが、終盤には物語的にも造形的も気の抜けるような話が散見されます。

本エピソードもその一つで、カッパを愛するカッパクラブの面々の会話はふざけてるし、全身タイツのテペト星人の学芸会みたいなコスチュームで演技までUMA特集のプロモーションビデオみたい。もしくは世にも奇妙な物語か。全体的に全体的にセブンっぽくない。この星人、悪さは近所の鶏小屋うぐらいで、何のために地球に来たのか、非知性的で行動もマヌケ。

星人と同じ名前で、名前まで手抜きな怪獣テペトも安直でひねりのないデザインですが、顔は大きな皿の影の下で青く光るランプのみというシンプルの極致で、結構かっこいいです。

セブンとの戦闘シーンは本格的な水中戦闘でありながら、テペトが突然踊り出したり、2回もだまし討ちしたり見ごたえ充分。セブンの水切りのような水中アイスラッガーの縦切りもかっこいい。

 

14位.明日を捜せ

理想の上司ともいわれるキリヤマ隊長にスポットが当たるエピソードですが、占い師の安井に振り回されるという科学万能のセブンにしてはこれまた異色回。

ガブラのデザインも今日ではキモカワイイというか、芋虫の体に棒状の奇妙な腕が付き、頭は獅子舞に似たキテレツなデザイン。目が鼻の位置にあり、劇中では頭がほんとに獅子舞のように激しく動くので、チンクシャな増々ヘンな顔に見えます。セブンの怪獣はガッカリデザインが多いのですが、これは怪作です。

頭だけ跳んで襲って来る演出は子供の頃観た時はトラウマでした。

 

13位.侵略する死者たち

後期の(明確な)怪獣や宇宙人の造形が登場しないエピソード第一弾です。予算不足故でしょうが、これもセブンの世界を広げる好材料になりました。

死体が動くというので、霊安室を見張るダンなど陰湿な映像が多く、とても子供番組だとは思えません。というか楽しみにしていた子供からすると罰ゲームでしょう。

映像的にはシリーズ屈指のセブン役立たずのシーンが見もの。変身一度目は縮小されてコップに捉えられ、2度目も宇宙船のやはりコップみたいな容器に捕らえられるといいところなし。

作中では「念力」とか「影だけの存在」とか用語が飛び出しますが、我々は全く違う理のもとで進化した存在なのでしょう。海外でいうSF=ファンタジー・フィクションの世界でそういう意味でも異色です。

 

12位.空間X脱出

音を武器にするベル星人はダニのような顔に背中に透明な甲羅のような、羽根のような妙な造形物を付けた不気味なデザイン。この背中のパーツはセミの抜け殻か、歪んだ異形の昆虫か、色々なものを想像させ不気味さを加速させます。

この不気味なデザインに加え、本エピソードに出てくる疑似空間というのも不気味で、ある種の恐怖を感じさせる回でした。

 

11位.プロジェクト・ブルー

宇宙の帝王(笑)として有名なバド星人。下品な洋物B級SF映画のような造形ですが、作戦(?)も金髪美女をお化け屋敷的に怖がらせて脅すという徹底したチープさ。セブンとの対決も小石を投げたり、隠し持っていたメリケンサックで狂気攻撃など終始セコい。星人の頭のテカリ具合などわざと下品にやってるのではないかと思われるほどでこれはこれで名作です。

 

10位.栄光は誰れのために 

ストーリーはハードボイルドドラマのようですが、それよりプラチク星人の造形が気になります。昆虫のような顔で骨格の上に半透明の外套を纏っています。この外套がプラスチックのように見えることからの命名でしょうが、接写映像ではプラスチックというよりレース生地を円筒状に丸めて貼り付けているように見えます。前衛ファッションショーの服みたいにも見えるし、また実際の昆虫も表面に骨格を持っていることからそこからイマジネーションが膨らんだのかもしれません。骨だけでも動けたり、我々とは全く違う文明の生命体を具現化した傑作です。

 

 

9位.勇気ある戦い

クレージーゴンのクレージーなデザインにしびれます。スチームパンク全開な歯車だらけの顔、片腕の長大なクレーンをフリフリしながら、ガレージつきの家のような巨大な胴体におまけのように小さな足でヨタヨタと歩く姿はユーモラスです。シオマネキの要素も入っているようです。車をスクラップにして鉄を得ようとするパンダ星人のコソ泥作戦(ウルトラ怪獣大百科命名)もパンクです。

 

 

 

8位.消された時間

物語に真新しさはないですが、ビラ星人のデザインが素晴らしい。元ネタがウチワエビというのは有名ですが、真っ赤な星人と赤い連続鳥居という絵面はセブン屈指です。口元の触椀(?)や足がワサワサ動いたり、造形の演出も細かく、「こういう生き物」としてしっかり描かれています。煙から出てくるシーンもかっこいい。

 

7位.アンドロイド0指令

あまりにも弱いチブル星人ですが、銀色の巨大な頭にピンクの唇、3本足と瞬殺星人にしては異様なまでに気合の入ったデザイン。

本作の名シーンはむしろデパートでのシーンで、マネキンが大量にあるフロアやおもちゃが襲って来るシーンなど、面白い絵が多いです。

 

6位.恐怖の超猿人

まったく期待していなかったのに予想外に面白かったのが本エピソードです。ゴーロン星人の全人類を猿人間にするというフザけた目的も、唐突に急流すべりが差し込まれる地方ロケによくある強引な展開も面白いのですが、異色なのはセブンと星人の戦闘シーンです。

星人のイカれた動きの鳴き声(というか奇声)はインパクトがあり、星人の怪光線(超音波?)を受けたセブンを星人が引きづるシーン。そのとき星人のモフモフの尻尾がセブンを撫でるようにしてて、萌えポイント。そもそもこの星人、全身モフモフです。そのあとにレスリングシーン、そしてセブンもイカれたのか手裏剣光線の連射(50発ぐらい?)、そして降参する星人に容赦なく惨殺というオーバーキル。

また戦闘ではモンキーセンターの猿の映像がインサートされるのも異色の演出です。

 

5位.蒸発都市

海外ハードSFみたいなタイトルですが、映像的にもハードです。

蒸発都市の背景の露骨なブルースクリーンの背景は「エヴァンゲリヲン新劇場版」の元ネタでしょうか?ハリネズミかドリアンのようなダンカンの着ぐるみはゴロゴロ転がって移動するなど柔軟性にも優れ、稀にみる出来。泡から出現し、最後は泡になって風に飛ばされて消えるという演出も謎めいています。操られたセブンの演技といい、茶番じみた追いかけっこといいユーモラスは演出が目立ちます。

 

4位.盗まれたウルトラ・アイ

星人が出ないエピソードはどれも俊逸ですが、本作もプラレタリウムのナレーション、スナック・ノアの描写など意味深長な文明批判が込められており、セブン屈指の大人向けエピソード。セブンとマヤが終始テレパシーで会話するのも面白い演出です。ノアのウルトラ・アイを付けた若者たちにボコられるダンのシーンは物語上必然性がなくシュールさが目立ちます。ラストの夜の街をさまようダンなど、映像も美しいです。

 

3位.第四惑星の悪夢

星人が出ないエピソードの中でもっとも有名です。ロボット長官の油を指すシーンが有名です。それ以外はSF的な絵面は4つの月ぐらい。ロボットの居住区は倉庫やスタジオ、人間の街はできて間もない殺風景な団地で撮っており、どちらも寂しい無機質な空気を演出しています。SF的小道具をほとんど使わずに異星の不気味さを表現するのは見事です。

 

2位.円盤が来た

「狙われた町」の予算無しバージョンといったところです。

まだら模様のペロリンガ星人は非常に美しいのですが、活躍シーンが少ないのが残念です。物語も尻切れトンボで想像の余地を残しています。

本エピソードは望遠鏡屋さんの店先でのフクシン青年とペロリンガ星人の会話シーンだろう。やたら馴れ馴れしく親切(?)な星人のキャラクターが本エピソードを傑作にしています。

 

1位.狙われた街

メトロン星人のデザインだけでなく、下町のセットと夕日の対決シーンが異様なまでの作り込みです。この話だけなぜこうも違うのか?星人、セット、物語が全て揃った稀有エピソードです。

コメントを残す