2019年5月27日
  • 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★拡散する未来「シド・ミード展」

3331 Arts Chiyoda(東京都千代田区)の「シド・ミード展」【2019.4/27(sat)▶5/19(sun)】を見てきました。

シド・ミードは工業デザイナー、のちにイラストレーター。日本では映画「ブレードランナー」のメカニックデザイン、またアニメ「∀ガンダム」のロボットデザインで有名です。

会場は映画、アニメなどの版権作品は殆ど撮影不可。前半のカーデザインなどが撮影可です。

シド・ミード「バイオスタット・アライバル」

自動車メーカーのフォードからキャリアをスタートしたシドはこの頃からのちのガンダムに見られるような流線形の円を基本としたデザインを好んでいたようです。

 

シド・ミード「オーシャン・ライナー・アット・ドック」

車以外にも船のイラストも多く描いています。船は全く既存のものですが、前面に人力車のようなものが書かれ、タイムスリップ的状況を作り出しています。

 

シド・ミード「TOKYO2040」

未来都市の描写のあります。

1991年の作品ですが、東京タワーなど既存のランドマークが全く描かれてないのも面白いです。

シド・ミード「クロノラグ」

またメカだけでなく周囲の事物にも注目。スターウォーズにも似た未来と古代文明がごちゃ混ぜになったような世界観は、そのまま∀ガンダムです。

シド・ミード「ランニング・オン・ザ・シックスドックス」

未来の生活を描いたものとしてはレースを描いたものが多くありました。

中でも巨大なロボドックが爆走する本作品は大迫力です。

シド・ミード「タヒチアン・ファンタジー」

ランドスケープデザインみたいな作品も多かったです。

SFでは統合が進み世界政府や銀河連邦のようなものができて多様性が無くなる、という未来像が描かれることが多いです。

しかしシドの世界ではむしろ民族性が現状より強調されたがごとき描写が多いのも面白いです。

レンゾ・ピアノ「チバウ文化センター」

これを見て思い出したのが、レンゾ・ピアノの建築です。ハイテクがインターナショナルにつながるとは限らないのです。

 

シド・ミード「スーパーシャトル」

当然、宇宙の関する作品も多いです。スペースシャトルはそのままですが、宇宙飛行士たちの装備が円形になっているのに注目。

スタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」

そういえば、SFに登場する宇宙ステーションは必ず円形でした。

国際宇宙ステーション

宇宙は重力がないので、上下もなくよtって四角くする必要もない、という理論です。

しかし現実の宇宙ステーションはシルエットとしては四角くなっており、違いを考えると面白いです。

 

シド・ミード「ザ・ストーンエイジ」

フォード退社後はよりSF・ファンタジー指向が高まり、後のブレードランナーなどの起用に繋がります。

シド・ミード「神戸スペースポート」

この時期に描かれた作品で面白いと感じた作品がこれ。

他にも実在の地名がタイトルになっている作品はありますが、現実の風景と全く無関係に思えるのが面白いです。

宇宙船の発射台と思われますが、他のSF作品のどれとも全く違うのが面白いところです。

最後はブレードランナー、宇宙戦艦ヤマト、∀ガンダムなどのイラストが展示されています。

∀の最大の特徴であるヒゲはイラストにたまたま描かれていた線がそのまま実現したものらしく、現場ではあまり話題にならなかったようです。

独特の世界観が俯瞰できる貴重な機会です。★★

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