すみだ向島EXPOを見てきました。
京成、東武の曳舟駅辺りの向島は東京スカイツリーが見える下町です。
商店街が元気な活気のある町ですが、一方複数の家や店舗が繋がった「長屋」が多数残っているなど、面白い空間が広がっています。
この古い建物を活用した芸術祭です。
いくつか面白かった作品を紹介してみます。
「ツレがウツになりまして」が撮影された京島南公園のすぐ近くにあるのがKAB Library and Residency
民家を改装した宿泊施設兼図書館です。
蔵書の内容は展覧会の図録や美術系雑誌が主ですが、それより部屋を斜めに横切る巨大本棚が圧巻です。2階ロフトの天井までの高さがあり、梁を抱え込んでいるため、この空間のために作られた作り付けの本棚ということになります。
京島駅と名乗る建物は元米屋を改装したもので古いながらも米屋だけに蔵を持つ大きな建物。
EXPOのインフォメーションを兼ねていますが、建物の各所にはアート作品が増殖中です。
3階の屋根裏部屋はさわひらきさんのインスタレーションが見ものでした。
2つのミラーボールが回る部屋の各所に映像を投影するというもので、これまでにない空間体験でした。
昔の家ならではの急峻な階段も迫力がありました。
開発孔明さんは空き家をアトリエとして活用するという作品。
特にお風呂の空間が特徴的でした。
アーティストが手を加えた部分もありますが、元の家の作りが魅力的に感じました。
工場と住居が合体したような空間を使った美大生の写真展です。
写真も面白いのですが、どこまでが作品でどこまでがそのままなのか分からないモノがいっぱいあって面白いです。
思わぬところに思わぬ写真があるのも新鮮です。
写真自体もこの近所で撮ったものと思われ、都心にはないような不思議な作品が多数ありました。
居間 theaterの人と酒の関わり館はコロナ自粛をきっかけに世界的にお酒が無くなったら・・・というIFの未来を元に100年後の2121年にオープンした博物館という設定。
まんま居酒屋の空間を使った展示ですが、100年後のせいかおかしな人もいます。
これは飲み過ぎて吐く人?何故かその目の前に猫。
2階にはそらへんから収集してきたと思われるアルコール類や掲示物を展示ケースに収めてそれっぽく展示。
傑作なのがベランダを活用してビアガーデンを再現していること。まさに人類の酒の受容が学べる博物館でした。
長屋をシェアハウス兼アトリエとして活用するアーティストの作品。2階の3つの部屋で過去、現在、未来を表現。
1階は店舗として使われている長屋とも空間的に繋がっていたりして不思議な空間でした。
最後は飯川雄大さんの大型インスタレーション。1階のハンドルを回すと2階と3階の部屋が飛び出てくるという大掛かりな作品です。
ちょうどその前が更地になっていたので作品を見るにも好都合でした。
アート作品ではありませんが、商店街には新旧問わず魅力的な店が多く、デートにも使えそうでした。★★★
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