東京ビエンナーレとは1952年から1970年まで開かれていた展覧会で、特に1970年の最終回は美術評論家・中原佑介氏の指導の下、国内外の前衛的なアーティストが集結し、大きな話題を呼びました。
今回はこの東京ビエンナーレを2020年に復活させようという試みで、そのテーマについて各回の識者が提言をまとめた展覧会でした。
見ごたえがあったのが、1970年のビエンナーレの資料をまとめた展示です。
各パンフレット類や新聞記事の展示の他・・・
会場の様子も写真で紹介されていました。
田中信太郎のタールプールの作品の部屋の壁に河原温の日付絵画を飾るという、今日では考えられない展示です。
他にも上野公園に木を植えたというリチャード・セラの作品や・・・
記号アートとでもいうべき松澤宥の作品・・・
写真ではかなり唐突に見えるダニエル・ビュランのインスタレーション(色が分からないのが残念)・・・
なんとあのクリストの作品すら無造作に展示されていたようです。国内ではありえないほどの豪華な展覧会だったことが分かります。
さて、それらを受けての2020年の構想ですが、例によって難解なものは避けて、面白かったものだけ紹介します。
日本人は本来、いい加減でだらしないものだった、という仮説をもとにした提案です。
新しいウォータースライダーや・・・
新しい屋台を提案しています。「ドーナツとコーヒー屋台」とか素敵ですね。
ゆるゆるの動画作品もおすすめです。
物々交換を紹介したブースです。
少ないながらも、日本の店舗も紹介されていました。国別に結構特徴が出てます。
ここ、3331にもたびたび出現する藤浩志氏の提案。
こちらも物々交換ですが、作品の素材集めの副産物です。
かなり豪華な顔ぶれで、展示はそれなりに面白いのですが、どうやってビエンナーレに結び付けるのかが謎の企画が多かったです。
今回はそのようなことを度外視した展示ということでしょうか?