トーキョーアーツアンドスペース本郷の「日/中/韓パフォーマンスとメディア 70’s – 90’s」【2018年10月13日(土) – 2018年11月11日(日)】を見てきました。
3人の作家を各階に配しているので、かなり空間を贅沢に使った展覧会です。
ただその内容はゆっくり見るにはかなり厳しいと言わざるを得ません。ジャン・ペイリー
という作家は体を掻く、ひげを剃る、割れたガラスを修復するという映像を複数のモニターでひたすらエンドレスで流すという作品。
同時期に国立近代美術館でも展示されている韓国のパク・ヒョンギの作品は写真と映像などを組み合わせているのでまだ取り繕うしまがありますが・・・・
こちらも傾く水面の映像に合わせてモニターを傾ける、石の間に石の写ったモニターを挟むなど、非常にコンセプチュアルです。
美術館で映像作品が見てもらえる平均時間は17秒だそうですが、これらの作品はその平均値を大きく引き下げるものとなるでしょう。
結局、鑑賞に堪えうる作品は出光真子氏のものだけでした。
「主婦の一日」は退屈な主婦の日々をモニター内の眼が観察しているというもの。
一般的な主婦にしてはかかっている音楽やインテリアはミョーにアーティスティック。
鑑賞者が見られているかのような演出も面白いです。
こちらは化粧する女性を捉えた映像ですが、女性が見ているのは鏡ではなく自らを写したモニター。ビデオという当時新しいメディアの面白さに着目した作品です。
こちらは出光氏の最初期に作品。
アメリカのある民家を会場にした展覧会の記録映像です。
展示にはウーマンリブのメッセージが込められているそうですが、そういうことを抜きにしてもキッシュなインテリアと作品の融合が非常に面白いです。
女性の乳房の形をした目玉焼きが壁に大量についていたり、かなり自由な展覧会です。
同時に「愛,愛、愛・・・」などとエンドレスに繰り返すなど、コンテンポラリーな音楽も面白いです。
同じ時代のビデオアートでもかなり表現の幅があることを実感しました。★