• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

抽象イメージの多様性「若松光一郎展 ―大地の歌―」

加島美術(銀座)の「若松光一郎展 ―大地の歌―」【2018.3/20(火)-4/6(金)】を見てきました。

福島県いわき市で主に活動した、コラージュの作家として有名な人らしいです。

若松光一郎「autonomy」(左)「autonomy」(右)

展示作品は初期の具象画もありましたが、9割方抽象画でした。リズムカルな配置、微生物のような謎めいた物体の数々、画面いっぱいに描かれた点描など、カンヴィンスキーを髣髴させる作品が多かったです。

若松光一郎「残照」

「コラージュの大家」と言われている割にはあまりオリジナリティは感じませんでした。和紙や布を貼り付けているのは面白いですが、こういった作品は他にもありますし。

若松光一郎「時空・春のうたⅡ」

一口に抽象と言っても色使いやイメージの形状は様々で、特にこのような明るい色が画面全体を占める作品は抽象画ではあまり見ないなと感じました。

若松光一郎「浮遊するフェルマータ」

むしろ完全な抽象ではなく、具体的なイメージが多少残っている作品の方が面白く感じました。特にこの作品は向こうから歩いてくる宇宙人のように見えます。また若松氏は音楽好きとのことで、作品には随所に取り込まれているみたいです。詳しい人が見るとまた違った感想が生まれるのかもしれません。

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