長野県芽野市の放浪美術館 山下清に行ってきました。
建物は基本平屋づくり。門の形状からしてタダモノではない感じがします。
建物は酒蔵か何かを改造したのでしょうか?
山下 清(1922- 1971)は戦中、戦後の画家。その実像よりも映画、ドラマの「裸の大将」のほうが有名になってしまいました。
如何に放浪しようとも基本的に東京在住だった山下が長野に住んでいたという記録はなく、ここに美術館がある根拠は薄いです。ただし山下は何度も諏訪湖花火大会を見て絵にしており、この辺りの住民は宿代代わりに山下の作品を持っている人が多いとか。
諏訪湖と言えばこちらの作品も諏訪湖を題材にしてます。山下の見た夢が絵になっています。
このように空想的な作品は多く、意外と画題は豊富です。作品の中には人物が常に観覧者の方を見ているように見える、トリックアートのようなものもありました。
また山下の作品は基本的に宿代代わりなので、家主の持ち物に絵付けすることも多かったようです。美術館でも壺やたらい、はてはサイダーの瓶に描いたものもありました。
のちにはこれらの絵を売って旅費を稼いだりもしているので、映画の印象と違い実際には軽度の障害はあっても大変頭のいい人だったことが分かります。
美術館の出口は古道具屋のようになっており、おそらくこちらが本業。このようなどんぶり勘定(?)は田舎ならではでまだこんな場所が残っていたかと少しうれしくなりました。