ASAKUSA(浅草)のアントン・ヴィドクル「ロシア宇宙主義:三部作」《2017年11月25日(土)〜2017年12月24日(日)》を見てきました。
場所は東京メトロ銀座線の浅草駅の手前の田原町から徒歩2分ぐらい。でも非常に奥まったところにある民家で、めっちゃ分かりにくいです。
この奥の階段を登り、カーテンの向こうの真っ暗な空間で上映してます。めっちゃ怪しげでいやがうえにも期待が高まります。
そもそもロシア宇宙主義とは何なのか?全部見ると1時間ぐらいある3部作を全部(一時間ぐらいあります)見ましたが、よく分かりません(笑)でもすごくざっくり言うと不死や死者復活を目指す思想のことをいうみたいです。
三部作は一作目はレーニンの死にまつわる話、二作目は太陽の活動周期と人間の活動の関係について、三作目は博物館が死者復活の重要な役割を果たすというもの。
死者が次々に墓場から復活するアイデアは星新一の短編や、梶尾真治さんの「黄泉がえり」を思わせますね。
アート界では養老天命反転地や三鷹天命反転住宅で有名な荒川修作さんの一連の活動を思わせます。
今回の作品内のセリフ「死は贅沢である」というのは荒川さんの「死ぬのは法律違反です」とも共通してます。もっとも荒川さんは20年も前に死なないための建築を実現しているので、ずっと先を行ってますね。
それはともかく、映像としては3部の博物館パートが最大の見せ場であることは見た人の多くが感じると思います。
博物館の映像作品といえばロシアのライバル国であるアメリカの映画「ナイトミュージアム」を思い出します。
あっちは建物も演出も豪華絢爛ですが、ロシアの博物館はこの国特有の透明感溢れる展示室に、中身だけ変わる同じ展示ケースがどこまでも続くという、均質空間の美しさがあります。
ロシア宇宙主義が分からなくてもピエール・ユイグの映像が好きな人ならきっと気に入ると思います。あと国立科学博物館より大阪市立自然史博物館派だという人も(分かりにくくてすみません笑)
最後に、下町の民家に籠って怪しげな映像を見るという体験はこれを思い出しました(笑)