• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★★さいたま国際芸術祭2020

さいたま市のさいたま国際芸術祭2020【2020年8月23日~11月15日】に行ってきました。

 

春に行われる予定だった芸術祭がコロナの影響で延期され、縮小されて開催されたものです。

それに伴い観覧は無料になっています。

使われなくなる大宮区役所と大宮図書館の取り壊し前の期間を利用した芸術祭です。

 


久保寛子「ハイヌウェレの彫像」

ローコストになった分お金のかかった作品はなくなりましたが、空間を生かした展示には光るものがありました。

面白かったものをピックアップしてみました。

4位.平川恒太「太陽の民」

役所の雰囲気を残す空間にひまわりの頭をした職員?が佇む不気味な作品です。

霧の向こうには彫像も見えます。

SFチックな不思議な作品でした。

 

3位.篠田太郎ニセンニジュウネン」

一階奥では什器類を撤去し、代わりに天井から延々と砂が落ちてくる不気味なインスタレーションを展開されています。

配線類が残っていたり、撤去作業を利用してインスタレーションを作ったようです。

照明も落ちていて自然光のみなのも上手い演出です。

間仕切りの真上から落ちてくる砂も。

これまた利用者がいなくなった建物の寂しさを表現しているようですが、よりデストピアをダイレクトに感じる作品です。

 

2位.フランク・ブラジガンド

「日常の修復」

今回のメインビジュアルともいうべき作品です。

区役所エントランスの大人しいモダニズムの空間が一気にカラフルになっています。

床以外が全般的に塗装されており、天井もこの通り。

区役所を壊すのがもったいなくなるような作品でした。

 

1位.梅田哲也「O階」

区役所の地階すべてを使ったインスタレーションです。

区役所にあるものを編集して展示にしているといった趣です。

ここの時計は急に高速回転しだしたりして面白いです。

旧食堂と思われる空間ですが、楽器類を持ち込んでにぎやかな空間に。

天井の空調機を活用して機械を動かしています。

調理場内もインスタレーション化しています。

調理場を外から見るとこんな感じの立体アートに見えます。

役所内のサインを集めたインスタレーション。

外部空間も作品の一部です。

急に動き出す搬入用エレベーター。

一番面白かったのが迷路のような隠し通路です。

書庫をくり抜いた(?)通路や・・・

ロッカーが並んだ空間。

さらにロッカー内に入っていく迷路のような作品もありました。

 

規模は縮小されましたが、内容は無料とは思えないほど充実していました。★★★

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