• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★★美ヶ原高原美術館

長野県の美ヶ原高原美術館に行ってきました。

長野県のビーナスライン上にある美術館で、箱根の彫刻の森美術館と同じフジテレビ系の美術館です。

 

辺鄙な場所にあるにも拘らず、箱根の12年後の高度経済成長期に作られたせいか、非常に巨大な作品が多く、見ごたえがあります。一方冬季は閉館しており、春には雪かきが必要など維持費がかかる美術館でもあります。

 

日本の絶頂期の美術館だけに、この時期の世界中の一流アーティストの作品が一堂に会しています。

特に印象深かったものをピックアップしてみました。

 

次点.高橋勝「旅行者(スウェーデンの四季)」

旅行に全く必要のないものを持って行ってますね・・・

これは何かの教訓?

 

10位.外岡秀樹「豊穣への讃歌Ⅱ」

黄金の巨大なトウモロコシです。画像検索すると他に巨大なイナゴの彫刻が出てきました。

 

9位.フランツェン「疾走する文化」

カタツムリの背からテレビ、車、クレーン、ジェットコースターなど文明の利器が生えている作品。

クレーンの先端の形状とジェットコースターのレールから遠目にはもう一匹カタツムリのようにも見えます。

 

 

8位.山田正好「帽子をかぶって」

合計9体の頭部の像からなる作品です。

右端の3体は普通の像ですが・・・

中央の3体は男性の体が顔を表し、

左の3体は女性?の脚が鼻を表現しています。

歌川広重の浮世絵を彷彿させる不気味な表現ですが、どこかおかしみも持っています。

 

7位.柴田美千里「しまうま」

 

駐車場からもよく見える位置にあるため、非常に目立つ作品です。

 

模様でシマウマであることは分かるのですが、頭部がなく、脚も無加工の鉄筋をそのまま使うなどミニマムな表現。が、どこかマヌケに見えるユーモアが読み取れます。

同じ作者でキリンの作品もあるようです。

 

6位.三木富雄「鋳造アルミニウム」

耳の彫刻で有名で、夭折した彫刻家の作品です。

一見ベンチにしか見えない作品です。

「アルミニウム製」と彫られた人を食った作品です。

三木さんの耳以外の作品は初めて見ました。

 

5位.アレクサンダー・リーバーマン「イヴ」

東京丸の内にも巨大な作品のある彫刻家です。

修復中の写真は逆に貴重かも?

赤い円筒はガソリンスタンドの地下タンクらしいです。

いかにも戦後アメリカの彫刻家らしい作風です。

 

4位.三木俊治「行列」

長泉院附属現代彫刻美術館にも同様の作品が大量にあります。

簡略化された人が大量に並んでいます。

 

トンボがたくさん止まっています。

トンボのスケール感にも非常にマッチした作品。

 

3位.松本秋則「風の奏でる音楽」

意外と動いたり音を出したりする作品は少ないのですが、その中でも白眉の出来。

非常に微弱な風でも爽やかな鈴の音が響きます。

 

2位.井上武吉「マイ・スカイ・ホール」

黒川紀章さんの美術館でのコラボ都庁の野外彫刻、美術館の設計など大きな仕事に恵まれた人です。この作品も美術館内で最大級です。

真下に立って観るのが正しい鑑賞法。自分を中心に周囲がすべて鏡面の鏡に映っており、自分が世界の中心に立てるという仕組み。

 

1位.ベルンハルト・ルシンブール「スズメヲウツノニタイホウモチダス」

空に向かって張り出した作品。

タイトルは大砲ですが、外観は児童雑誌の付録のおもちゃの鉄砲のよう。

銃身?にも刻まれている作品タイトルは軍拡競争を批判したものだと思われます。

もともと大阪万博のために制作されたものを移設しました。

色合いといい、立地条件といいランドマークの役割を果たしています。

 

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