• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★落合 陽一 「未知への追憶」展

渋谷モディの落合 陽一 「未知への追憶」展【7/23-9/27】を見てきました。

落合氏はここ1、2年でメディアの露出が増え、もはやアーティストの領域を超えてきてる気がします。

渋谷モディは初めて入りましたが、シックな内装がなかなかカッコイイです。

一方渋谷の一等地で週末にも拘らず、落合展以外のフロアは閉店かと思うぐらいガラガラ・・・

3フロアも書店にするなどシブい構成が受けなかったのでしょうか・・・

落合陽一「アリスの時間」
落合陽一「レビトロープ」「焦点の散らばった窓」

展示は回顧展というべき内容で、過去の落合氏のインパクトの強かった作品が集まっていました。

もっとも落合氏自体がここ数年のアーティストなので、回顧といわれてもありがたみはあまりないのですが・・・

会場の構成は壁面が化粧材を剥がした状態になっており、改装の合間を展示に利用したようです。

作品の雰囲気にはマッチしてたと思います。

実験室のような雰囲気なので、展示作品も落合氏の使っているカメラなどが置かれており、博物館っぽかったです。

落合陽一「穴の開いた板をカンバスにして」

落合陽一「注連縄」

その写真作品ですが、落合氏の作風からすると意外なものも多く、結構面白かったです。

もっとも落合氏の先端技術を用いたアートはただ技術がすごいのではなく、その見せ方が冴えているので、こういった日本人のアイデンティティに関わる古典テーマにも関心が深いのだと思います。

 
落合陽一「音と質量Ⅰ」

未見の作品で面白かったのは環境音みたいな音楽がテープから延々と流れるこちらと・・・

落合陽一「追憶の代理映像」

過去の落合氏の作品やニュース、思い出などがフラッシュバックするこの作品です。

技術がむしろローテクに向かっている気がするのが面白いところです。

 

新作にかつての驚きがあまりなかったのが残念です。

もっとも落合氏の関心が作品よりもメディアに向かっているとも考えられます。

作品解説はかなり充実していたので、落合氏ファンには満足のいく展示だと思います。★

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