帰ってきたウルトラマンに続いてウルトラマンエースも見てみました。
キャラクターの弱さや怪獣デザインの劣化、無理滑稽な話などはタロウ、レオと続くウルトラ冬の時代の幕開けを思わせるものがありますが、前半は超獣デザインについてはかなり善戦しています。
合体超獣ですが、タイラントと違い顔が露骨にカウラなのが難点です。強引にまとめた感はありますが、ラストのエースのメッセージは割と好きです。
アイデア一発勝負型の話ですが、意外な生物を怪獣化というシリーズは意外と悪くなく、ベロクロン(サンゴ)、ルナチクス(ウサギ)、ホタルンガ(蛍)、バクタリ(バク)と佳作が多いです。中でもこのブラックピジョンのトボけた顔は傑作です。
怪奇、オカルトものの話はいくつかあるのですが、意外と面白いのがなく、怪獣デザインもイマイチのものが多いです。ですが流石巨大ヤプールは別格で、エンマ大王を模したというデザインはなかなか俊逸。エースとの緊迫感のある光線技の打ち合いの演出もよいです。
バキシムはエースの怪獣の中では別格の扱いを受けています。確かにデザイン、演出共に優れています。オレンジと紺のカラーリング、角ばった人工的な顔、重量感のあるボディと傑作です。富士山麓の決戦という映像美もいい。
ゴチャゴチャしたデザインが多いエース怪獣ですが、ブロッケンは良くまとまっています。触手、角、腕の顔など要素が多いながら破綻はありません。
本話の特徴はあと、ウルトラサインとウルトラギロチンがあります。ド派手な切断技の演出もエースの特徴です。
「サボテンの変種、つまり超獣」「許してくれ、俺とサブロテンは男同士の誓いがあるんだ」など迷言の数々が飛び出します。浮遊し、焼き鳥を盗み食うサボテンなどアタックオブザキラートマトのような展開が続きます。サボテンダーもエースには珍しいユーモラスなキャラクターで好感が持てます。
10人の女子大生がそれぞれ超獣のパーツになり合体するという奇抜なアイデアを物語化しており、これまでにないひねりのきいた話です。オッパイが腹に8個も並ぶという超獣のデザインも攻めています。
ザイゴンのデザインと造形は10話にしてかなりひどいのですが、本話はエースの奇行の決定版でもあります。マタドールごっこは音楽、どんどん大きくなる赤い旗などツッコミどころ満載。ノリノリのエースが調子に乗って超獣に逆襲されるという一連の流れが早くも完成しています。
空っぽの部屋に施術用の椅子だけがある歯医者の絵がシュールです。
戦闘シーンの画面9分割、相撲という謎演出も結構好きです。
プールが超獣になるというイカレた一発ネタを映像化した功績は高く評価したいです。デザインもプールの面影(?)か木が生えていたりバリケーンのようにお腹に顔があったりして攻めています。甲羅や牙(?)などゴチャゴチャしたデザインですが不思議と破綻がないです。物語もプールに入るとへそを取られてかっぱ人間になるという地球侵略とどう関係があるのか意味不明で、ヤプールの迷走ここに極まりといったところです。
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