• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

不思議な書店の不思議な遊具「木藤富士夫 公園遊具写真展」

ジュンク堂池袋書店で開催中の「木藤富士夫 公園遊具写真展」(2017年11/1~11/30)を見てきました。

木藤富士夫さんは公園遊具のほか、デパートの屋上やピンボールゲームなど、どこか懐かしいものをたくさん撮っている写真家さんです。

特に公園遊具はその陰影や色合いを強調したスタイリッシュな写真で強烈な印象を残します。

今回はこの公園遊具シリーズから58点もの作品をピックアップして展示しています。早速ベストメンバーを決定していきたいと思います。

10位.大阪府八尾市 九宝寺緑地

造形力:★★★

アイデア力:★

NURUTO度:★★★

近所の子どもは目玉の所に乗ってNARUTOごっことか絶対やってますね。階段の部分がカエルのイボイボっぽかったりして見所も多いです。

 

9位.東京都練馬区 豊玉公園

造形力:★★

アイデア力:★★

夜は別の顔度:★★★

タコの滑り台というのはオーソドックスでいろんなバリエーションがありますが、こちらは目の部分を大胆にくり抜いてそこから滑り出すようになっています。目が無くなるだけで別の生き物のようにも見えてきます。また光の当て方でタコのぬめった感じが表現されてて今にも動き出しそうです。

 

8位.千葉県成田市長原第一児童公園

造形力:★★

アイデア力:★★

気分はプレジデント度:★★★

トランプ大統領訪日に合わせたわけじゃないでしょうが、数人しか乗れないジェット機がプライベートジェットを思わせます。ただの飛行機なのに絶妙なディフォメ加減がかわいいです。タラップでなぜか機上に上がれたりするいい加減さも公園遊具の魅力です。

 

7位.和歌山県和歌山市和歌山交通公園

造形力:★★★

アイデア力:★

将軍様の妄想度:★★★★★

大統領訪日と来れば次はもちろん将軍様の夢のロケット基地ですね(不謹慎ですみません笑)先端の極端な尖り具合がかっこ良く、建物本体は割と丸っこいのに強い垂直性を感じます。ロケットにも見えますが、人によってはイスラムのドーム建築に見えるかも知れません。そんなダブルイメージも本遊具の魅力です。

 

6位.栃木県足利市毛野団地南児童公園

造形力:★★★

アイデア力:★

ブルーナ度:★★★★★

象の滑り台はタコ以上にスタンダード過ぎますが、こちらは優しい曲線といい、明るい原色のみの彩色といいミッフィーちゃんの生みの親、ディック・ブルーナの作品にしか見えません。

ディックブルーナとミッフィーちゃん

目玉や踏板までカラフルに仕上げる拘りぶり。制作者は熱烈なファンに違いありません。是非良い状態で次代に引き継いでほしいものです。

5位.神奈川県藤沢市大鋸外原公園

造形力:★★

アイデア力:★★★★

形の面白さ発見度:★★★

電話機のスパイラルの部分って子供のころから気になっていました。こんがらがってると気になってほどいてみたりとかして。この形状は絡まりにくいようにとの工夫でしょうが、この形状自体に人間の本能に訴えかけるものがある気がします。遺伝子もらせん構造ですし。そんなスパイラルの面白さを遊具に取り込んだ発想の勝利です。

 

4位.北海道札幌市白井区つどい公園

造形力:★★★★

アイデア力:★★★★

ドキンちゃん狂喜度:★★★★★

ドキンちゃんがバイキンマンに作らせたと思われる(笑)、超個性派遊具です。食パンがナイフで切られる瞬間をコンクリートで再現するというアクロバティックなアイデアには脱帽です。食パンの白さ、柔かさが見事に表現されていて、例えば中央の穴が不定形なところなど絶妙です。

 

3位.埼玉県宮代町イカ公園

造形力:★★★★★

アイデア力:★★

4次元からの侵略度:★★★★★

情報化がすすんだ現代では大抵のものは何かに見立てられますが、これは何にも似ていない。完全なオリジナルです。イカ公園とありますが、イカには見えません(宇宙イカかも知れませんが)。しいて言えばこれに似ているでしょうか。

ウルトラマンより四次元怪獣ブルトン

きっと夜な夜な怪しげな電波を放って、埼玉県を混乱に陥れているに違いありません。

 

2位.沖縄県豊見城市瀬長島公園

造形力:★★★

アイデア力:★★★

お前のような遊具がいるか度:★★★★★

遊具としては異色のリアリズム造形、足元にはストーンヘンジ、頭上に謎の操縦席、子どもに岩を投げつけようとする凶悪さと来れば、もう公園遊具の範疇を越えています。怪獣王と南海の大決闘を演じる気まんまんです。

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘

 

1位.北区王子六丁目児童遊園

造形力:★★★★★

アイデア力:★★★★★

男の子の夢度:★★★★★

実にオーソドックスな造形のロボットですっきりしたでざいんですすが伸ばした腕が階段と滑り台になっててそこだけが左右非対称なのが面白いです。ロボットの操縦席に入っていくような気分も味わえます。

 

 

ちなみに写真展の場所は書店内の理工書コーナー。木藤さんの作品にふさわしい(?)謎めいた本が売ってます。

また他の階でも色んなパネル展を同時に開催してます。じっくりみてると池袋のジュンク堂はまさにワンダーランドですね!ナンコレ度★

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