• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

建築図鑑208★★清里フォトアートミュージアム

清里フォトアートミュージアムに行ってきました。

設計は栗生明氏。

栗生氏の建築は後期になると長崎の追悼施設とか、平等院ミュージアムとか、普通にいい空間を作るようになっていくのですが、前期はかなりキレキレの建築を作ってました。

コレはその生き残りといったところ。

入ってすぐ目につくのが巨大な赤い構造物。

裏面は緑になっており、ミュージアムショップの棚を形成しています。

これは藤江和子氏がデザインした家具なのだそうです。赤い面は椅子になっている部分もあります。

この家具(と称するモノ)が野外につきぬけている部分。

天井を貫いている部分も。

それ以外にもかなり凝った家具(?)が多く、デザイン性の高い空間を形成しています。

写真の部分はもともとレストランだった様子。

 

行ったときは館長の細江英公氏の展覧会をやっていました。

奥に見えるのが本を飾るショーケースです。

非常に天井が高いのは2、3階に宿泊施設があるからです。

実際にはかなり大きな建物で、旅館の1階に展示室とミュージアムショップが貼り付いているといった方が適切でしょう。

そして施設を取り巻く18の庭があるといいますが、現在は外部に面したものなど極一部にしか入れません。建物の全てが見れないのはかなり残念でした。

 

清里と言っても山道をぐるぐる回ったどん詰まりにある美術館で、ここも能登島伊豆と同じく、田舎に取り残されたバブル建築と言えそうです。今からでは実現しそうにないプランだからこそ、貴重な空間です。★★

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