• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★「?」な作品が多い ASIAN ART AWARD 2018

TERRADA ART COMPLEX(品川)の「Asian Art Award 2018 supported by Warehouse TERRADA – ファイナリスト展」【2018年 3月3日(土) – 3月18日(日)】を見てきました。

審査の結果、大正、特別賞を取った作家は下の階の作品制作場所が提供されるというユニークな試みです。

大賞を取った小金沢健人さんは鏡、石、ペットボトルのキャップを使ったインスタレーションと・・・

ドローイング、そしてキャップで車を飾る謎のおじいさんの動画を発表。

おじいさんの動画はちょっと面白かったけど、なぜこれが大賞なのか、納得は行きません。去年もそうでしたが、この賞は難解な作品に与えられる傾向にあるのでしょうか?

 

結局、4人の作家のうち、美しいと感じたのはAKI INOMATAさんの作品だけでした。ここだけ空間がアクアリウムのようです。

ヤドカリに3Dプリンターで作った家に引っ越しを促す作品です。結構知られた作品ですが、生体の展示は初めて見ました。

ヤドカリ自体も大型の美しい個体が展示されてます。ヤドカリにとって上部の構造物は判断材料になるのか、気になるところです。

家単体の展示もありました。気に入ったのは一般によく知られたニューヨークの摩天楼と・・・

オランダ(?)の風車小屋です。

他にはタコがアンモナイトの殻に入っていく動画も美しかったです。画面もゆらゆら波打っててリアリティがありました。

 

他の2人のうち、冨井大裕さんは量販店などの紙袋を建築のように積み上げたインスタレーション。パッケージを画題にするのはアメリカのポップアートがさんざんやってるので、今更感がぬぐえません。

最後に、和田昌宏さんは映像作品です。暗い不安定な廊下をぐるぐると入っていくと・・・

和田昌宏「長い廊下、あるいは2人の男と21人のネルシャツ」

映像の中でも暗くて長い廊下の先にある部屋で無音劇が繰り広げられます。2人組が破壊した椅子を、ネルシャツが燃やして肉を焼いていることから、「循環」的な意味合いがあるのではないでしょか?

 

今回は他のアートフェアとも連携してるようですが、正直これだけを見に天王洲アイルまで来るのは苦しいですね。★


Asian Art Award 2018 supported by Warehouse TERRADA

2018年 3月3日(土) – 3月18日(日)

月 – 金曜日 13:00 – 19:00

土曜日・日曜日 12:00 – 20:00

会期中無休

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誰でもできる現代美術 コンポジション — モノが持つルール – 博司のナンコレ美術体験2018年6月3日 10:22 PM / 返信

[…] 既製品の組み合わせだけで作品を作る冨井大裕さんの個展です。 […]

線を引くことに対する様々な分析 「小金沢健人3つのモノクローム」 – 博司のナンコレ美術体験 にコメントする コメントをキャンセル