福岡市のキャナルシティ博多に行ってきました。
設計はジョン・ジャーディーです。
モールの設計者として大きな成功を収めた人物で、特にアメリカの巨大モールを多く手掛けています。
フレモント・ストリート・エクスペリエンスはアーケードに映像が高速で流れ続けるというものです。
他に世界最大級の遊園地も含まれるモール・オブ・アメリカなど、度肝を抜く仕事が多いです。
アメリカ以外では日本でも多く仕事をしており、キャナルシティ以外にも多くのモールを手掛けています。
これらはその要請に合わせて全く毎回コンセプトが違うし、グニャグニャしたカラフルな造形も安くてインパクトがあり、しかも建築法にのっとった経済的にも合理的な設計なのですが、国内外ともに評価は低く、その仕事をまとめた書籍も聞いたことがありません。
商業建築、エンタメ建築は建築業界からは評価が低いですが、予算や要請に制約があった方が面白いものができると思います。
中はかなり複雑な作りをしており、案内図も正直分かりにくいです。
那珂川の方からアクセスすると、川から水を引き込んでいるかのように見せかけています。
この人工川がモールを縦断しています。これはジャーディの他のモールにはない特徴で、彼がちゃんと地域性を考えて設計していることが分かります。
高層階からでも見れる巨大な噴水ショーもあります。
高層階から見ても全てがデザインされていて、見てきて飽きません。
歩いていると次々に新しいデザインが登場します。
那珂川から見て一番奥側にオフィス棟があり、ここだけ唐突に普通のデザインです。
2つホテルが入っています。
安い方はかなり狭く、値段相応でした。
サインも独特過ぎます。
自販機もオリジナルデザイン。
パブリックアートもあります。
モニターが大量に並んでいるのは、ナム・ジュン・パイクの巨大作品。おそらく国内最大の作品でかなりの迫力でしたが、最近は消えているようです。
こちらはチームラボの若冲をテーマにした作品。
チームラボの人気爆発前からの作品で、貸し出されることもあるようです。
結構そっけなくエスカレーター脇に置かれています。
この施設は博多と天神の間に挟まれ、地下鉄駅からも遠いのでさびれている印象もありますが、いつもテナントはいっぱいだし、2011年には隣地に分館もできました。
ただこちらはジャーディとは関係ないのか、フツーの施設です。
H&Mなど、良くも悪くも今勢いのあるテナントがフツーに入っています。
ちなみにこの写真右上のコカ・コーラのサイネージ広告は登場当時かなり衝撃でした。
福岡のランドマークとして大阪のグリコみたいにもっと評価されてもいいと思います。
これ以降、全国に面白いショッピングモールが増えましたが、その草分け的存在だと思います。
かつオープン当初から変わらず、今も元気に活動しているのは貴重です。★★★
建築図鑑169★★リバーウォーク北九州 – 博司のナンコレ美術体験2021年2月11日 10:05 PM /
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