ポール・コックス「ローラースケープ」
板橋区立美術館のポール・コックス展を見てきました。
国内でも北陸新幹線のCMなど、多くの仕事を手掛けているデザイナーさんです。
都心からかなり距離のある美術館ですが、わざわざ足を運んだのは単なるデザインの展示にとどまらないインスタレーションがあるからです。
写真はひらがなをイラストに置き換えて言葉を作るという参加型インスタレーションです。
ポール・コックス「アルファベットの彫刻」
このような発想の背景には、ユーモアに溢れた過去の仕事がありました。
ポール・コックス「夢見がちな小説全集」
特に絵本の仕事は多く紹介されていました。
写真は自由に並び替えができる絵本で、当然絵と文章の組み合わせもランダムです。
ポール・コックス「ものがたり」
こちらも同様のコンセプトですが、友人に一冊だけ作って贈ったものだそうです。
ポール・コックス「天井からぶらさげるモンテーニュのことば」
これはパリのギャラリーでインスタレーションとして展開したものです。
ポール・コックス「La Tribune de Geneve Carte blanche a Paul Cox」
これはジュネーブの日刊紙のパロディで、内容は劇場の告知だそうです。
ポール・コックス「ディジョン・ブルゴーニュ劇場」
本来の仕事(?)であるポスターも多く展示されていました。
グラフィカルなものから・・・
ポール・コックス「ディジョン・ブルゴーニュ劇場」
かなり刺激的なものまで。自由と芸術を尊んでいることがよく分かります。
ポール・コックス「ナンシー・オペラ座」
抽象的なものもありました。こうして見ると日本のポスターは保守的過ぎますね。
もう一つの部屋では彼の絵画作品が展示されていました。
モネの睡蓮のような抽象的なもので、こうしてグラフィックの仕事の色彩感覚を磨いていたのかと思うと興味深いです。★★