涯 テノ詩聲 詩人 吉増剛造展【2018年8月11日(土・祝)~2018年9月24日(月・休)】
を見てきました。
地下一階の天井面の、同じく詩を切り出した作品。
および廊下の「多重露光写真」の三点のみです。
多重露光写真とは撮影したフィルムを現像せずに巻き戻し、もう一度撮影すると、関係ない風景通しが重なり合うという現象を利用した作品です。
単純な手法で幻想的な光景が出来上がっており、かなり面白かったです。
このように吉増氏は異業種のコラボを通して、詩の領域を超えた作品を発表しています。
それ以外の展示は中西氏のコンパクトオブジェに対して吉増氏が紹介した文章が展示されていたり・・・
アーティストが装丁した詩集などが展示されていました。
他、若林奮氏がごみ焼却場建設に反対して建設現場に作った「緑の森の一角獣座」には吉増氏も参加しています。
写真家の森山大道氏や荒木経惟氏、民俗学者の柳田國男氏や中上健次氏など広範かつ一流の人たちとのコラボ作品が展示されていました。芥川龍之介や萩原朔太郎など物故者にリスペクトした作品も。
新たな発見があるという意味ではいい展覧会でしたが、松涛美術館には珍しく、かなり玄人向けの展示だった気はします。細かい作品が多いのはいつものことですが、色々予めの知識がないと楽しめない作品が多いのは残念でした。