千葉市緑区のホキ美術館に行ってきました。
ホキとは設立者保木さんの名前。衣料品メーカーの創業者が集めた写実画を展示する美術館です。ホキ美術館は独立した会社であり、株券を買うと株主優待券として美術館の招待券がもらえます。
経営のかかった私企業のため活動はかなり活発で他美術館の作品の貸し出しも積極的です。そのせいか近年都内でも写実画を多く見るようになったような・・・
写実画家の地位向上にも貢献しているのかもしれません。
展示作品の中には館長自身の肖像画も。
はじめていったときには館長自身も館内にいてびっくりしました。
設計は日建設計。日本最大の設計会社で使い勝手のいいオフィスビルを建てることでビジネス業界では評判がいい一方、建築をアートとみなす一派からは白い目で見られることの多い会社です。
この建築はそんな日建設計の美術館の中でもかなりアートに寄せた建物です。
最大の特徴は浮いた展示室で、美術館の裏手から見ることができます。
この浮いた展示室部分以外にも建物は複雑に折り重なった3層構造をしており、これも建物側面から見ることができます。
他にも制震構造、片持ち屋根、鉄構造を生かしたマグネット式の額縁など優れた工夫が多く見られます。
が、質が高い一方で美術館としての遊び心はあまり感じません。アート方面に寄せてはみましたが、結局施工技術のアピールになり、優等生的美術館になってしまった印象です。