東京都港区の元赤坂今西ビルに行ってきました。
設計は高松伸氏。
バブル期に大流行りし、その後建物が取り壊されたり、廃墟になりまくってる建築家です。
見た目はいいのですが、使いにくい建物が多いのでしょう。
建物というより大きな彫刻と思った方がいいのかもしれません。
その中ではこのビルは都心の真ん中にも拘らず、テナントが入っている数少ない生き残りです。
とはいえ過剰なまでに正面性のみを意識したデザインをしており、やはり巨大彫刻のようです。
正面だけといえば隈研吾氏のM2も道路に面した正面以外の側面や裏面は何のデザインもないのですが、この場合内部の作り込みがあります。
高松氏の作品は中に入るまでの体験のみを重視しているように感じます。
とはいえそこしか重視しないだけあって正面のカッコよさ、独自性は真似できないものがあります。
特に建物上部の外壁が手前に倒れており、正面のビルが映り込んで複雑な光景を作り出しているのは面白いです。
中央の円筒状の鏡面もやはり複雑な映り込みになっています。
金属部分とガラス部分を併せて都市の景観を取り込みながら、変化する都市の美しさを表現しています。
正面玄関両脇にある鋭い円錐形のオブジェ。高松氏の建物によくあるデザインです。
これは地階の屋内に光を取り込む機能があるようです。
残念ながら内部の空間は体験できませんでしたが・・・
この突き刺さりそうなデザインも高松氏の建物でよく見ます。
高松市のデザインはペンシルビルの方が映えるかも。
地元でもどんどん取り壊されている高松氏の建物ですが、彫刻としてのレベルは高いので、何とか残してもらいたいものです。★