• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★Open Storage 2021 ―拡張する収蔵庫―

MASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)(大阪市)のOpen Storage 2021 ―拡張する収蔵庫―【2021年10月16日(土)から11月14日(日)】を見てきました。

 

大阪市南部の北加賀屋という工場地帯の倉庫を大型美術作品の収蔵庫に転用した施設です。年1回だけ一般公開されます。

今回入口の回転扉を持田敦子氏が美術作品として他所で作ったものを再設計しました。

残念ながら持田氏の家が回転する作品ほどのインパクトはないのですが、美術館の入り口扉自体が美術作品になっているのは珍しいと思います。

公開日初日は持田氏のトークが行われていました。

持田氏の仕事仲間との空き家活用トークがメインで、さらに長野における新しいプロジェクト構想も発表されました。

持田氏といえば家の回転という感がありますので、今後も家を魔改造した作品に期待したいです。

あと持田氏の過去作を紹介するコーナーもありました。

美大の階段に家の壁をはめ込んだ作品は彼女の卒業制作とのこと。

日本画コースだったせいか、先生たちの評判は悪く、「お金の匂いがする」と言われたとのこと。

先生のコメントの真意はよく分かりませんが、学生の作品にしては洗練されており、後の活躍を思わせるものです。

倉庫の従来の作品では宇治野宗輝氏の「THE BALLAD OF EXTENDED BACKYARD car section」がインパクト大。

しかし広い広いと言われた倉庫は天井は高いのですが、面積は市立美術館レベル。ART FACTORY 城南島のほうがずっと広いです。それとも周囲の倉庫も使って本当に収蔵庫が拡張するのでしょうか?

 

さて、この北加賀屋は町ぐるみでアートで町おこしをやっているらしく、展覧会が各所で行われている他、建物の壁に壁画が大量に描かれています。

それらは版権に抵触するものや・・・・

淋しくて汚い倉庫街の自虐ネタ?と思えるような作品も。

場の雰囲気にあっているのもあれば、まったくミスマッチなものもあり、収蔵庫よりこっちのほうが楽しめました。★

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