• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★都市で遊ぶ、漂う「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」

21_21 DESIGN SIGHT(六本木)の「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」【2018年2月23日(金)- 6月10日(日)】を見てきました。

ウィリアム・クラインはニューヨーク、東京、パリ、モスクワなど都市の作品を多く出している写真家、映画監督です。巨大な写真集が置かれていました。

エントランスでは都市写真だけでなく、ファッション写真などクラインの仕事を俯瞰できる構成でした。

圧巻なのは四方の壁と床をすべて使った空間インスタレーションです。

音楽に合わせて大きさの異なるモニターにクラインの写真を中心に様々なイメージが次々と移ります。

カラフルなイメージが次々と入れ替わる様はニューヨークのブロードウェイを思わせます。

ダリ、篠原 有司男など所々に有名人も。都市の活気をスピーディーに表現しており、ここだけでも見に行く価値があります。

 

 

多和田有希「I am in you」

多和田有希「the milk of paradise」

ここからは国内を中心とした様々な新進気鋭の写真家の作品が並びます。

写真を切り刻み、もはや別物と化している多和田有希さんの作品。

沈昭良「SAGE#2 」

台湾の冠婚葬祭やお祭りに出現するステージトラックを写真と動画で紹介する沈さん。クライン以外では一番面白かったです。

売れっ子写真家、石川直樹さんは森永泰弘さんとユニットを組み、極地の写真を採取した音とともに展示。

須藤絢乃「幻影 Gespenster」

作家自身が行方不明者の少女たちに扮するシリーズ。でも普通に美少女でファッション写真にしか見えません。

勝又公仁彦「hotel window」

世界各地のホテルの窓からの風景。ホテルの部屋自体を暗箱として活用しています。都市の灯りが幻想的に浮かび上がります。この作家は展示室内で廊下状にちょっと隔離気味に展示されており、都市の賑わいを表現した他作家とは違った演出となっていました。

朴ミナ「ブルーの影響」

水族館の持つ都市の避難所としての機能に注目。この作家だけ狭い廊下に展示されていてシェルター的演出がされてました。

 

個々の作家の質は高く、いろいろ発見はあるのですが、総花的展示はちょっと気になりました。★★


「写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−」

会期2018年2月23日(金)- 6月10日(日)

会場21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2

休館日火曜日(5月1日は開館)

開館時間10:00 – 19:00(入場は18:30まで)
*六本木アートナイト特別開館時間:5月26日(土)10:00-23:30(入場は23:00まで)

入場料一般1,100円、大学生800円、高校生 500円、中学生以下無料

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