• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★ニッポンのデジタルアート「黒川 良一|objectum」

Takuro Someya Contemporary Art(麻布)の「黒川 良一|objectum」【2018.3/24-4/28】を見てきました。

 

麻布の住宅街、公園の前のアパートの1階部分にあるギャラリーです。

ベルリンを拠点に映像と音声を組み合わせた作品を作ってきた黒川氏。今回は3つのシリーズの作品を発表します。

黒川良一「oscillating continuum」

奥の部屋に展示された作品は映像作品のようですが、あくまで彫刻作品として制作されたよう。



2つのモニターには赤い横軸の線を基本として音声に合わせて様々な波形が現れます。単純な映像作品のようですが、その変化は急激に起こりパターンは多彩。急激な波形の変化は宇宙系の研究機関とのコラボの成果でしょうか?閑静な住宅街にふさわしくない強烈な魅力を放っています。

 

黒川良一「lttrans」

部屋の壁にかかるのは植物の形状から抽出されたデジタル作品。片方がブレているのは植物の成長による動きを取り入れたのでしょうか?

 

黒川良一「elementum」

部屋の中央に置かれた作品も植物がモチーフですが、こちらは押し花そのものが作品に使われています。写真では伝わりにくいですが、押し花とそれの特徴点を抽出したデジタル画像を重ねています。

 

一貫して海外でキャリアを築いてこられた黒川氏ですが、作品の繊細な表現は明らかに日本的な影響を強く感じます。作品の性質上音楽ライブなどとの相性もよさそうで、活躍が期待できます。★★

コメント一覧

映像の限界「第11回恵比寿映像祭」 – 博司のナンコレ美術体験2019年2月16日 9:41 PM / 返信

[…] Takuro Someya Contemporary Artで個展もやった黒川氏の作品。 […]

映像の限界「第11回恵比寿映像祭」 – 博司のナンコレ美術体験 にコメントする コメントをキャンセル