• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★ミュージアム1940年代-1980年代:始原からの軌跡

国立近現代建築資料館ミュージアム1940年代-1980年代:始原からの軌跡【2020.10.1[木]-2020.11.15[日]】を見てきました。

 

全国の美術館、博物館建築の展覧会です。

ここの展示はいつもそうですが、普段紹介されないようなマニアックな建築が多くて面白かったです。

 

菊竹清訓「島根県立博物館」

菊竹氏は島根県立博物館を紹介。

同じく菊竹氏設計の島根県立美術館は紹介されることは多いですが、こちらは注目されません。

しかし改めて見ると蔵を持ち上げたような機能と形態が一致した建物はまさしく菊竹氏。

展示では大スパン構造の実現について解説されていました。

 

高橋靗一「佐賀県立博物館」

佐賀県は観光客の多くが通り過ぎる県ですが、なぜか尖った建築が多いです。

中でも見ごたえがあるのがこの博物館です。

1階より2階が大きく、展示も大半は2階。

図面では1階中心部から十字に鉄砲階段が伸び、それに伴い建物が2階に向けて広がっていく形態がそのまま表現されているのが面白いです。

 

大高正人「千葉県立美術館」

大高氏の千葉県立美術館。展示空間が全部1階で、すごくバリアフリーだなって思ったのはよく覚えています。

図面では大高氏の建物に多い暖色の外観を表現していました。

図面も結構個性が出ますね。

 

原広司「田崎美術館」

原氏の建築は図面もゴチャゴチャしてます。

作るの大変そう・・・

紹介されている建物は2つとも屋根に特徴があります。

インタヴューも流れていましたが、屋根の施工に関する話もありました。

原広司「飯田市美術博物館」

梅田スカイビルや京都駅にも通じる面白い造形です。

これは長野の山々を表現しているとのこと。

この空間が内部にも続いているのが原氏の建築の特徴です。

 

建物の魅力が再発見できるいい展覧会でした。★★

 

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