角川武蔵野ミュージアムに行ってきました。
設計は隈研吾氏。最近は木の建築が多かったのですが、かつては色んな素材の建築を作っていました。
石についてもストーンプラザなど野心的な作品もあり、本作は久しぶりに本気の作品に感じました。
地面から岩が隆起してきたかのように見せたかったとのことで、台地上の土地の上に脈絡なく出現する岩の塊はかなりの迫力です。
この台地上には他に武蔵野坐令和神社とところざわサクラタウンという商業施設があります。
神社も隈研吾さんの作品です。
小川がそのまま手水舎になっていたり、面白い演出になっていました。
ところざわサクラタウンは普通のお店ですが、ダ・ヴィンチストアという本屋はなかなか面白かったです。
あと上階はミュージアムを撮るスポットになるのですが、フェンスというか手摺が邪魔でした。
鴻池朋子「武蔵野皮トンビ」
ミュージアムの壁に貼られているのは作風から明らかなように鴻池さんの作品。
解説にはミュージアム外壁の石を支えるフレームからのワイヤーで作品を固定している旨が書かれており、大変な苦労があったようです。
この辺りにトンビがいるのかどうかは知りませんが、この作品もかなり過酷な環境に耐えなければいけなそうです。
ミュージアムから駅の方に向かって水盆があり、水盆を通して眼下の公園の森が見えます。
逆に言えば水盆を通してミュージアムは見えないのですが・・・
ちなみに岩のミュージアムは上階にも開口部があるのですが、外には出れません。
が、窓越しに外は見れます。
関東平野って感じの光景が広がっています。
米谷健+ジュリア「ウルトラブッダ」
1階に飾られたアート作品。
ウルトラマン自体デザインに仏像が取り込まれているそうですが、より仏っぽい体型になっています。
建物もすごいのですが、メイン展示はなんといってもエディットタウンでしょう。
松岡正剛氏が超わがままに選書した本が、これまたわがままな分類により
並んでいます。
項目は個性的かつ具体的で、約1000ぐらいの細分化されています。
これが1000の小割の最小単位です。
並べ方も超こだわってそうです。
頭上にはフライヤーのようなものが大量にぶら下がり、松岡氏の頭の中をひっくり返したようです。
この空間からミュージアムのエリアと荒俣宏氏の展示コーナーに枝分かれしています。
これは入り口の荒俣氏の映像で、色んな雑学を延々喋っています。
考えてみたら松岡氏と荒俣氏ってすごく相性よさそうですね。
エディットタウンの最奥が本棚劇場になっており、2層吹き抜けの本棚空間にプロジェクションマッピングで角川書店の名作の数々が投影されます。
こちらは本棚劇場を2階から見たところです。
ここまで率直に本屋をエンタメ空間にした場所はなかったのではないでしょうか?
このまま本棚は2階に続きます。
ここにも貴重な本がたくさんあります。
5階の武蔵野回廊も良かったです。
本棚も隈研吾氏デザインです。
そもそも武蔵野とは埼玉県、東京都に跨る武蔵野台地一体のことを指します。
三鷹、吉祥寺辺りにある武蔵野市というのがあるので紛らわしいですが・・・
かくいう僕も自分が武蔵野台地に住んでいることを知りませんでした。
そしてここ所沢が武蔵野の中心であることも分かります。
こちらではうって変わってドローカルな本がたくさん紹介されています。
エディットタウンよりこちらが収穫多かったかもしれません。
また昔は武蔵野という地名が普通に使われていたことも分かります。
さらに武蔵のギャラリーでも武蔵野に関する研究の成果が発表されています。
コロナもあり結構入場制限もあるのですが、一日遊べる空間になっています。★★★
ちなみにミュージアムに合わせて最寄りの東所沢駅も改装したようです。
本棚をイメージした外観になっています。