多摩ニュータウン初期入居50周年記念展示「諏訪・永山のあゆみ~初期入居からの道のり~と劇を見てきました。
多摩センターにあるパルテノン多摩の主催で、隣の永山駅の多摩ニュータウン永山の一帯を使った展示と劇の企画です。
展示は駅前の公民館とショッピングセンター、諏訪商店街、永山商店街の4か所を使って行っています。
劇のスタート地点でもある公民館はベルブ永山という複合施設に入居してます。
1997年竣工の50周年のニュータウンにしては新しめの建物です。
階段状の形状は坂の多い永山を反映しているのかもしれません。
図書館やカフェが入居しており、にぎわっていました。
ここでは多摩ニュータウンの歴史的な資料が多く展示されています。
ニュータウンになる以前の貴重な資料も。
多摩ニュータウンとは稲城市・多摩市・八王子市・
ここ永山はその中でも先行して作られたものです。
竣工当時の入居のしおり。他に高い建物がないだけに写真もキマってます。
ショッピングセンターのグリナード永山は、昔と現在の定点観測を中心にパネル展示になっていました。
このショッピングセンター自体の定点観測も。
1974年竣工で、今となっては結構手狭に感じます。
もっとも景観が変わったのはマンションを建て替えたところ。
収容人数が2倍になり、新しい住民も増えたとか。
駅前のバス停。基本的な配置は変わりませんが、木々の成長が著しいです。
今回の展示ではあまり触れられていなかったのが1979年竣工のタウンハウス諏訪。
ニュータウンに一戸建てを導入した例です。
斜面部分を緑地として当初から残していたのがよくわかる写真です。
他に入居者のインタヴューもありました。
当時は全く同じ建物、同じ間取りが並ぶのは大変画期的だったので間違った家に入ってしまうこともあったそうです。ニュータウンあるあるですね。
2つの商店街では昔の写真を現在のその場所に展示するという手法でした。
流石に現在は閉店している店が多かったです。
でも中には当時からずっと同じ店をやっている強者も。
ちなみにこれらの店は多摩にニュータウンができる以前から住んでいる農家の方々が政府の政策で転業したものです。
その転業のためのテキストも展示されていました。
入居当日の写真。まだ工事中のように見えます。
見てわかる通り道が舗装されていないせいで砂ぼこりがすごかったそうです。
青いアーケードは砂ぼこり対策で後付けされたもの。
写真右のグルメシティは当初シヅオカヤでしたが、作りは全く同じです。
やたら壁面積が大きい、不思議な形の床屋。ここも当初から変わりません。
設備が決まっているから容易に業種変更できないのでしょう。
閉店した店の空間を使った展示です。
竣工当時の鍵の受け渡しの様子。
当時は電車もなく聖蹟桜ヶ丘駅からバスで来るしかありませんでした。
劇はこれらの展示会場をなぞる形で展開されます。
ニュータウンの歴史と現在を感じさせるものになっています。
写真は上の道路は車道、下は歩道になっています。
車と歩行者を分ける歩車分離でニュータウンの特徴です。
この空間を生かした演出です。
ちなみに歩道の上の人は一般公募の市民だそうです。
商店街では音楽隊が登場。左の作業服の人は公団の職員という設定。
女の子も母親と一緒に出演しているみたいです。
やたらハイテンションで紹介されるブリリア多摩ニュータウン。
ニュータウン的には一押しなのでしょうが、たぶん集まった人はこんなどこにでもあるイマドキのマンションを見に来たのではないと思います。
ブリリアの足元に藤堂の作品を発見。おそらく建て替え前の団地のコンクリを活用した作品でしょう。
それよりその向かいの当時からの団地の方がオシャレに見えました。
踊り場の色が棟ごとに微妙に違うのが玄人好みです。
高層タイプのマンションもエレベーター室の色が棟ごとに微妙に違います。
劇はニュータウンの起工式が行われた地で終わります。
ちなみに劇には多摩市長も参加してました。
最後にちょっとだけ挨拶がありました。
帰りに見つけた未入居のマンション。未だに建て替えや増築が行われているみたいです。
駅前にあった飯田義国氏の彫刻です。
展示、劇、ニュータウンそのもの面白かったです。劇でも強調されていましたが、自然を生かした街づくりはアピールポイントで、一周回って今再び受け入れられている印象です。★★
理想の団地を求めて – 博司のナンコレ美術体験2022年11月26日 9:11 PM /
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