東京都写真美術館の中野正貴写真展「東京」【2019.11.23(土・祝)—2020.1.26(日)】を見てきました。
中野正貴さんは正月やお盆を狙って都心の無人写真を撮った「TOKYO NOBODY」でデビューして以来、主に東京をテーマに写真を撮り続けてきました。
今回の展覧会でも東京に絞って作品がセレクトされています。
本人のトークショーにも参加してきました。
代々木のドコモタワーは偽エンパイヤステートビルとも呼ばれ、東京の象徴的な建物に感じたとのこと。
「NO BODY」と並んで代表作である「東京窓景」
東京のランドマークの数々をきれいに見える建物の一室から撮ったシリーズです。
マンションなどを一室一室訪問して撮影許可を取ったのですが、たいてい断られたとのこと。
この「窓景」シリーズはエピソードがたくさんあります。
窓の清掃人が映っている写真は顔が映らないようタイミングに拘ったとのこと。
あくまで主題はバックの首都高と川です。
室内にあるものを移動して撮影はOKだが、持ち込みはNGというルールを設けたとのこと。
この写真株の中央にあるのはキムチの漬物です。
お台場のレインボーブリッジと自由の女神。こうして見るとニューヨークのブルックリン橋に見えます。
他のシリーズにも一貫していることですが、東京でも渋谷、新宿、お台場などの撮影が非常に多いです。
中野さんはどうも裏通りのゴチャゴチャしたところが好きなようです。
これはツカイツリーより東京タワー派なことにも関係しているのかもしれません。
上記の写真は20年以上のキャリアで何度も撮っている場所だそうです。
他には汐留、お台場、国立競技場といった変化する街並みを撮っているシリーズも面白かったです。
長年東京を撮っているだけに蓄積されてくるものがあるのかも。
中野さんの東京に対する思いは愛憎入り混じってるとのこと。
混沌とした東京を改めて考えるのにいい展覧会でした。★★★