東京都新宿区の新宿駅西口広場に行ってきました。
設計は坂倉準三氏。
坂倉氏といえば神奈川県立近代美術館がやたら称賛されますが、新宿、池袋、渋谷などの駅前計画を多く手掛けています。
そういえばこの小田急百貨店と京王百貨店が横に長ーく伸びる光景は池袋東口の西武に似ていますね。
新宿駅を地下化するにあたって巨大な吸気塔が必要になるため、いっそ穴を開けてしまえばいいという逆転の発想から生まれました。
結果世界でも珍しい駅前空間ができました。
にしてもモード学園コクーンタワーの功績はでかいですね。
これがないと外の風景が面白みがないです。
右奥辺りに噴水?のようなものがあるのですが、全く存在感がありません。
タクシーの運転手以外は見ないのではないでしょうか?
あとこの辺りはホームレスの隠れ家にもいいみたいです。
どこまで坂倉氏がデザインしているのかは不明ですが、この小田急のグラデーションの外壁、結構好きです。
建物の高さが揃っているせいか、日本のどこにでもあるバラバラのデザインのようであってどこか揃って見えます。
解放的なのに、新宿騒乱事件などが起きているのはその迷宮性故です。
解放的なのに迷宮化しているという矛盾をはらんだ構造もここだけ。
新宿の目もそれを象徴するアートだと思います。
諸星大二郎先生の漫画でも地下都市の入り口として使われました。
同じく、地下都市の脱出口として使われたのが、写真右下の吸気塔です。
ところでこの西口の整然とした雰囲気はデザインが揃っていることに加えて、高さが揃っているせいです。
昔の高さ制限に沿ったものなのでしょうが、今回この建物も取り壊し、高層化するそうです。
そうなると渋谷のようにバラバラのデザインの高層ビルが建つのでしょうか?
現状の方が特色があって好きなのですが・・・
人が集まるかって街のデザインが意外と重要な気がします。★★