• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★常に新しい表現を「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」

神奈川県立近代美術館の「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」【2018年4月7日から2018年6月10日)】を見ていきました。

 

ブルーノ・ムナーリはイタリアの絵本作家、プロダクトデザイナー、芸術家など色んな活動をしていた人です。

国内でも人気が高く、何度も展覧会が開かれています。

今回の展示品約320のうち約170がイタリアからの出品で、うち150ほどが国内初公開のものになります。

ブルーノ・ムナーリ「役に立たない機械」

初公開の作品のうち多くは絵画、版画など絵本以前の初期の作品です。特にモビール作品「役に立たない機械」は印象的です。絵画は壁に固定するものだという概念の打破を狙った作品です。

ブルーノ・ムナーリ「陰と陽」

アメリカの抽象絵画のような作品。かなりの種類がありました。

ブルーノ・ムナーリ「読めない本」

絵本以前の本も沢山出品されていました。こうなってくると本の形をしためくれる絵画といったところです。

ブルーノ・ムナーリ「時間X」

時間も主要な作品テーマの一つだったようです。

ブルーノ・ムナーリ「闇の夜に」

ブルーノ・ムナーリ「きのなかのサーカス」

ムナーリの絵本は変形本に見えてサイズ自体は一般的なもので、価格を抑えようとしていたことが分かります。

ページをめくることによって絵が動いて見えるのは、初期のモビール作品の頃から追求してきたテーマが継続していることを示します。

ブルーノ・ムナーリ「触覚のボード」

触覚の楽しさだけを抽出したような作品。子供用の玩具製作の副産物でしょうか?

ブルーノ・ムナーリ「短い訪問者のための椅子」

 

ブルーノ・ムナーリ「西暦2000年の化石」

こういう作品は他の人も作ってそうですが、タイトルが冴えてます。

ブルーノ・ムナーリ「オリジナルのゼログラフィーア」

コピー機を使った作品です。このようにムナーリは様々な機械をイリュージョンの一部として利用することが多かったようです。

 

晩年に至るまで一定のスタイルを持たず、より実験的表現を発表し続けた人でした。それだけに展覧会にするとおもちゃ箱をひっくり返したようになって収拾がつかなくなるのが欠点です。★★

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