• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

囲みと森★★★建築図鑑294川口芝園団地

埼玉県川口市の川口芝園団地に行ってきました。

 

大友克洋氏の漫画、童夢のモデルになったと言われる団地です。

その内容は規則的で無機質などこまでも同じパターンの続く巨大団地で独居老人と子供がサイキックバトルをするというもので、団地=悪所のイメージ造成にも一役買った作品です。

最寄り駅は蕨市の蕨駅。昭和の取り残され感のある駅前ですが、都心に近い郊外の街としては必要十分の機能を備えます。

本建築は他に、団地など公共インフラの写真を撮る大山顕氏に紹介されたことでも有名です。

団地自体がインフラですが、さらに本建築は東側(写真だと上)を走る京浜東北線の電車音を防ぐ防音壁の役割も果たします。

台形の底辺に当たる面が線路と並行しているので、そこを高層の団地を連続させて廊下側を線路側に向け、ベランダ側を他の団地と合わせて囲んで公園にしようという設計です。土地の起伏もないので、内部も延々と続く廊下が特徴的です。

また近年東京DEEP案内などで本団地が中国化しているということでも注目されています。

ついにはそれに関する本まで出ています。

上記のように掲示板には日中両バージョンの掲示物が掲げられるほどです。

両者の人的交流がどこまであるのか疑問ですが・・・

そう思って見ると随所に治安の悪さを感じさせるところはありました。

もっとも近年はどこの団地も外国人化が進んではいますが・・・・

具体的に荒れているようなところはどこもなかったです。

もっとも商店街はスーパー以外がほとんど中国化しており、やはりここは特別だと感じます。

前述の本によると2017年ごろまでは日本人経営の店もあったが全滅したとのこと。

 

内部は壁状の団地が折れ曲がっていることもあり、そこまで圧迫感はなく樹木も成長し、なかなかいい環境です。

その長い壁を体感できるビューポイントはなかなかなく、結局京浜東北線の社叢から見るのが最もいいと分かりました。

 

ここより規模の大きい団地はあるのですが、なかなかここまで密集性を体感できる団地はないと思います。★★★

 

コメント一覧

理想の団地を求めて – 博司のナンコレ美術体験2022年12月31日 12:00 PM / 返信

[…] 川口芝園団地 […]

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