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建築図鑑⑯物置と化した博物館「玉名市立歴史博物館」

(新建築より)

今回は玉名市立歴史博物館に注目してみたいと思います。

 

設計は毛綱毅曠氏。石川県能登島ガラス美術館でも紹介しました。

(新建築より)
(新建築より)1階平面図

基本的な構成要素は円形の展示室とそれ以外の機能を詰め込んだ方形の建物、展望台からなります。

(新建築より)アプローチ

方形から入りアプローチを渡って展示室に入ります。

(新建築より)シンボル展示

中央には大きなシンボル展示があります。これは「玉名船」と名付けれれた船が音と光で出たり消えたりする展示だったそうですが・・・

残念ながらこの展示は僕が行った時には見ることができませんでした。というのもこの空間が物置になっていたからです。また館内外にも展示品が溢れ返っており、収蔵・保存計画がうまくいってないことが見て取れました。

高崎正治「玉名展望館」

こうなった責任がどこにあるのかは分かりませんが、同じ市内にある高崎正治氏設計の玉名展望館も落描きだらけになっていることを考えると、どうも玉名市は市民から委託された財産を管理する気がないとしか思えません。

一方階段の上の16の柱には内部に古墳の出土品、地元の名産品、伝説など玉名市の宝物を中に展示するという趣向になっています。

(新建築より)

また円の上部からサーチライトが伸び、ナチスドイツの建築家、アルベルト・シュペーアの光の大聖堂に習ったライトアップが当初はされていたようです。

 

やはり北海道の釧路出身の毛綱氏のパワーが九州まで届かなかったのか?などとふと考えさせられる建築でした。

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