• 日々観た展覧会や関連書籍の批評をしていきます。

★★体験要素が少ない「テオ・ヤンセン展inふくしま2018」

アクアマリンふくしま(福島県)のテオ・ヤンセン展inふくしま2018【2018.3/3-5/6】を見てきました。

テオ・ヤンセンはDIYショップで手に入るプラスチックチューブや結束バンドを駆使して新たな「生物」を創造することを目標としている作家です。これまで長崎、沖縄、三重などを巡回してきましたが、今回は福島の南端、いわき市の水族館での展示です。

テオ・ヤンセン「アニマリス・サブローサ・キューティス」

カワウソの展示の脇に置かれているのは、彼のビースト(彼は自らの作品をビーストと呼びます)にしては背の低い種類。彼のビーストは風を帆に受けその力で足を動かして進むものが多いです。

テオ・ヤンセン「アニマリス・サブローサ・キューティス」(一部)

まじかで見ると非常に簡素なパーツで作られているのが分かります。

テオ・ヤンセン「アニマリス・ユメラス・セグンダス」

アクママリン本館においては展示室脇の通路脇にビーストが大量に並んでいます。ビーストの生まれ故郷はオランダの砂浜です。なので多くの作品は砂まみれです。

テオ・ヤンセン「アニマリス・ユメラス・セグンダス」(部分)

このビーストの背骨に当たる部分に並んでいるのはペットボトル。テオによると風の力をため込んでおく「胃」に当たるのだとか。

テオ・ヤンセン「アニマリス・パルシピエ・レクタス」

強い風を受けると頭についたハンマーをうちつけて転倒を防止するそうです。

ビーストは微風でも動けますが強風に弱いのでその対策です。

テオ・ヤンセン「アニマリス・プロボスキス」

2体一組のビースト。頭を動かして会話しているように見えます。コミュニケーション手段は改良中らしいです。

テオ・ヤンセン「アニマリス・シアメシス」

72本の足を持つ、最大のビーストです。

テオ・ヤンセン「アニマリス・ブルハス・ウミナミ」

体験では子供が引っ張って動かしていました。

この他ビーストのパーツが恐竜の骨を展示する博物館のように展示されていました。

 

アクアマリンの通路はサンルームのように明るく、外側はすぐ海なので、ビーストを展示する環境としては最適でした。一方動画ではガシガシ動いているビーストもヤンセン来日イベント以外ではごく一部以外は動かせませんでした。風で自ら動き、自立進化まで目指すヤンセンの理想からするとこの博物館の剥製のような展示はやや不満でした。砂浜での体験展示はあまり行われていないようです。★★

コメントを残す