東京藝術大学大学美術館(上野)の時間/彫刻‐時をかけるかたち‐【2019年5月20日(月) – 6月2日(日)】を見てきました。
テーマに沿って、何らかの形で「時間」が関わる作品が集められてます。
川島さんの作品は回転する像と、それを撮影した映像が並列して展示されてます。映像処理によって実物と映像の間の差異が明らかになり、その間に時間が介在していることが分かります。
大森さんの作品は、プラモデルの部品を組み合わせて、全く新しいモデルを作ってしまうというもの。
一見して廃材アートのような印象は時間の経過を感じさせますが、同時に作品を作るのにかかったであろう膨大な時間も感じさせます。
よく見ると何のパーツを使っているのか分かるのも面白いです。
2階は教授陣の作品が展示されていました。
石段は分かりますが、壁にくっついているものは???
実はこれは階段の手すりの踊り場部分。石段とともに解体現場からもらってきたそうです。塗装の剥げ具合が時間の経過を感じさせます。
裏側には彫刻が施されています。
ともにトマソンっぽい作品に仕上がってます。
廃材が終わった時間だとすると、その作品化は時間の復活でしょうか。
実験室のようなモノと抽象画5点のセットです。
富士山で採取した土を感光紙にのせ特殊な薬品を加えます。
スティーブライヒの音楽を流し、音の波によって紙上に模様が完成します。
時間の経過によって自動的に作品が完成するというのが面白いです。
大巻さんの作品は時間に沿って刻一刻と変化し続けるものです。
布が送風機によって煽られるだけの作品ですが、布は空間の高さに合わせて天井にも貼り付かず、床にも落ちない絶妙な力加減で上下しています。
単純な仕掛けのようですが、気候などによって調節が必要なデリケートな作品です。
こうしてみるとどんな作品でも「時間」という要素が絡んでくるのだなと感じます。しかし今回は概して手間暇かかる作品が多く集まっており、なかなか楽しめました。★
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