建築倉庫ミュージアム(品川区)のWandering Wonder-ここが学ぶ場-【2019.5.22-2019.10.14】を見てきました。
建築模型が空中に浮いているような什器が特徴的です。
学びの場というと学校を思い浮かべますが、実際には図書館から元学校のギャラリーなどかなり多様な建築が紹介されていました。
気になったものをピックアップしてみました。
設計は原田真宏+原田麻魚。
機能は学童保育施設とキッチンスタジオ、カフェとのこと。それぞれの機能が緩く分節しているのが特徴です。
木材を使った屋根印象的。
設計は横河健。
東京都足立区の住宅地に作られた美術館で、緑地公園化した屋上が特徴。
茶色い箱は多目的室で、色んなイベントに貸し出しているようです。
設計は佐藤慎也、古澤大輔、馬場兼伸、黒川泰考。
秋葉原近くにある中学校をギャラリー、ショップ、カフェなどの多目的スペースに改修したものです。
外観上の変更点は入口にウッドデッキを設け、校庭を公園化したぐらいでそれ以外はまんま中学校です。
内観も室内は変更した部分も多いですが、トイレや手洗い場は学校っぽい空間を保存しています。
この模型を見ると屋上はこれほど活用されていませんが、平日でも人が賑わっているしかなり成功した施設だと思います。
学校建築を多く設計している山本理顕氏の作品。
外観上は「風の翼」と呼ばれる巨大なパネルが特徴。太陽光を反射していて教室の北側にも光を入れる効果があるそうです。
それ以外に、芸術、研究、体育と機能別に部屋を並べたのも特徴だそうです。
山本さんらしいシステマティックな設計です。
武蔵境駅前にあって目を惹く施設。
中は基本図書館なのですが、若年層向けのワーキングスペースなどコミュニケーション空間を重視しています。部屋同士が緩やかに繋がっているのもその効果を助長しています。
1階中央にカフェが鎮座しているのも図書館としては異例。
坂茂設計。
東日本大震災の被災児童をストレス障害から救うための施設。
中庭を持ったドーナツ型の建物です。
建物外周は本棚と野菜を飾る棚になっており、模型ではその野菜まで再現。
ここで遊ぶこと自体が治療になるように作られています。
設計は梓設計。
外観も内観も一貫して壁を斜めに区切っているのが特徴です。
そのせいもあってか全体的に開放的な印象で、教室通しを機能ごと、単位ごとに分けて行かずに曖昧にするという方針が読み取れます。
色々面白い建物はあったのですが、同時開催の構造展と比べるとややインパクトに欠けました。
やはり機能を建築模型から読み取るのは難しいのかもしれません。★